自社で簡単に業務アプリを作成できる「kintone」は、多くの企業でデータ連携に活用されています。しかし、基幹システムとの連携を考慮せずに構築すると、逆に業務効率が低下するリスクもあります。
本記事では、kintoneのデータ連携に関する課題と、解決方法を分かりやすく解説します。また、システムの拡張性と柔軟性を向上させた具体的な事例も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
kintoneを活用したノーコード開発は、基幹システムのスクラッチ開発やERPへのカスタマイズにおける課題を解決する一方で、新たな課題も発生する可能性があります。
以下に、開発の流れに沿って発生する課題をご紹介します。
基幹システムをスクラッチ開発やERPに多くのカスタマイズを加えて作ると、自社の業務に適したシステムを構築することができます。しかし、高い順応性がある反面、仕様変更に対して俊敏に対応するのが難しくなり、開発コストが膨らむ傾向があります。
例えば、開発にかかる工数や納期が延びてしまい、リリース時には現場の業務フローが変更されていることも珍しくありません。また、開発後の保守や運用においてもシステム管理者の負担が増え、わずかな改修でも多くの時間を要してしまいます。
こうした課題を解決するためには、基幹システムを改修するよりも、その周辺システムをノーコードで開発することが効果的です。
ノーコードであればプログラミングの知識が不要なため、従業員自ら仕様変更や新機能の追加が可能です。開発工数を大幅に削減できるだけでなく、必要な変更にも素早く対応できるようになります。
システムを効率的に開発する方法として、kintoneの活用が挙げられます。kintoneは、プログラミングの知識がなくても、ドラッグ&ドロップの簡単な操作で周辺システムを開発できるノーコードプラットフォームです。システム開発を内製化できるため、外注費用を削減し、短期間でシステムを完成させることができます。さらに、開発後の改修も簡単なため、仕様変更にも柔軟に対応できます。
前述した通り、スクラッチ開発やERPによる基幹システム開発の課題は、kintoneを活用した周辺システムの開発によって解決することができますが、新たな課題が発生する可能性もあります。
それは、kintoneで開発した周辺システムと、既存の基幹システムとのデータ連携です。
このデータ連携を適切におこなわなければ、異なるシステム間で同じデータを何度も入力する手間が生じ、作業効率が悪化してしまいます。
kintoneで開発した周辺システムを効果的に運用するためには、基幹システムとの「データ連携手法」を事前に検討する必要があります。
先述した課題を解決するためには、周辺システムと基幹システムを連携する手法が重要です。主な手法は以下の3つです。
それぞれのメリットとデメリットを見てみましょう。
スクラッチ開発はシステムをゼロから構築する方法です。この方法は細かくカスタマイズできるため、特殊な業務フローやビジネスモデルにも対応可能です。
しかし、開発コストが非常に高くなる点がデメリットです。要件定義から設計、開発、テスト、リリースまで長い期間がかかりますし、仕様変更や新しい機能の追加が必要になった場合は追加のコストが発生します。
スクラッチ開発は確かに理想的なシステムを作ることができますが、俊敏性が求められるビジネス環境では、運用後の保守と改修が負担となる可能性があります。
RPAはWeb画面上の操作を自動化する方法です。手動でおこなう作業を自動化することで効率を大幅に向上させることができます。
特に、開発工数が少なく、導入が比較的簡単な点が魅力です。視覚的に分かりやすい操作で利用できるものが多く、kintoneとも簡単に連携できます。
ただし、処理件数が多い場合には稼働時間が長くなり、PCクライアントを占有することがあります。また、RPAはデータベースへの直接アプローチが苦手で、大量データの処理や複雑なデータ連携には不向きです。
RPAは定型作業を効率化するのには適していますが、データの大規模な処理や複雑なシステム連携には、他の方法を検討する必要があるでしょう。
EAIはデータ連携に特化したツールのため、開発工数を抑えつつシステム間の連携が可能です。RPAと同様に、直観的な操作で簡単に設定できるため、専門知識がなくても導入しやすい点もメリットです。
また、EAIツールはバックグラウンドで稼働するため、大量データの処理にも対応可能です。これにより、複数のシステム間でスムーズなデータ連携が実現し、業務プロセスの効率化を図ることができます。
システム全体の拡張性と柔軟性を大幅に向上させることができますが、EAIは選択するツールによって導入コストが高くなるものがあるため注意が必要です。
kintoneで構築した周辺システムと基幹システムをデータ連携する際は、EAIツールの使用がおすすめです。
EAIツールを活用することで、複数のシステム間でのデータ連携が簡単になり、複雑な連携を簡素化できます。また、視認性が向上するため、管理がしやすいことも特長です。
EAIツールの中でも、特におすすめなのが「ASTERIA Warp」です。
ASTERIA Warpは多様な連携先アダプターを提供しており、簡単にデータ連携を実現します。さらに、プログラミングの知識がなくてもシステム開発が可能なので、開発工数を削減し、迅速なシステム導入が可能です。
kintoneで構築した周辺システムと基幹システムをデータ連携するEAIツールはいくつも存在しますが、多くの企業に選ばれているのが「ASTERIA Warp」です。
以下に、ASTERIA Warpの特長をご紹介します。
ASTERIA Warpは、ノーコードでデータ処理の設計・開発をおこなうEAIツールです。100種類以上のサービスやシステムと連携可能なため、システム間でのデータのやり取りをスムーズにおこなえます。
また、簡単な操作できるインターフェースを提供しており、専門的なプログラミング知識がなくても、誰でも簡単に設定をすることができます。
これにより、超高速でのシステム開発が可能となり、短期間での業務改善に期待できます。
ASTERIA Warpは、kintoneとの連携用に9種類のアダプターを提供しています。
例えば、kintoneに登録されたレコードの取得、レコードの登録・更新、添付ファイルのダウンロードなどが簡単におこなえます。これにより、日常的な業務プロセスがより効率化されるでしょう。
さらに、ASTERIA Warpは7種類のフローテンプレートもご用意しています。例えば、以下のような作業が設定できます。
これまで異なるシステム間でおこなっていた作業が不要となり、担当者の業務負担を大幅に減らすことができます。
以下に、kintoneとASTERIA Warpを組み合わせそれぞれの課題を解決した成功事例をご紹介します。
京セラ株式会社様の機械工具事業本部は、世界9カ国に19の製造拠点を展開しています。
各拠点ではExcelやAccessを使った属人的な管理がおこなわれており、設計・製造に関する情報の不整合が問題となっていました。そこで、kintoneを活用し、情報を統合データベースへ集約する仕組みを整備しました。
さらに、機械工具事業本部独自のデータと全社基幹システムのデータを統合して一元管理する仕組みを作るためにASTERIA Warpを採用しました。
kintoneのほかにもOracleやSQL Serverなどのデータベースとも簡単に連携できたため、各拠点の情報が一元管理され、MDM(マスターデータマネジメント)の強化にも繋がりました。
株式会社ダイブ様は、日本全国のホテル・旅館・スキー場に特化した人材サービス「リゾートバイトダイブ」や、上京を希望する20代向けに住居や仕事を提供する「トーキョーダイブ」などのサービスを提供しています。
これらのサービスでは、登録している派遣スタッフの管理や求人情報を複数のシステムで管理していたため、マスターデータが散在しており、kintoneを導入し、データを一元管理することにしました。
しかし、請求処理や給与計算などの一部の機能は既存システムを利用し続ける必要があったため、マスターデータの整合性を保つために、複数のシステムを自動で連携する必要がありました。
ASTERIA Warp Coreを導入することで、求人サイト、請求システム、分析ツールなどと最短15分間隔でのデータ連携を可能にしています。また、kintone上のデータを更新するだけですべてのシステムに情報が反映されるため、業務の効率化とデータの整合性の両立も実現しました。
今回は「kintone」で開発した周辺システムと基幹システムのデータ連携における課題、EAIツールを活用した解決方法について解説しました。
ASTERIA Warpは全ての機能をお試しいただける無料体験版も用意されています。kintoneを導入している、またはこれから導入を検討されている企業のご担当者様は、ASTERIA Warpも併せてお試ししてみてはいかがでしょうか。
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