kintoneをはじめとする多様なシステムとのスピーディーな連携がDX加速のカギを握る
京セラ株式会社は、ファインセラミック部品をはじめ、電子部品や携帯電話、太陽光発電システムなど、広範な製品分野でビジネスを展開している。DXの展開に向け、同社ではコーポレート全体の取り組みを牽引するデジタルビジネス推進本部を設置。各事業本部にもDX推進組織を立ち上げ、製販連携のもと製品・サービスのデジタル化や組織構造改革を加速させている。世界9カ国に19の製造拠点を展開する機械工具事業本部では、各現場でのExcelやAccess等を使った属人的管理により、設計・製造などにかかわる情報の不整合が避けられなかった。そこでkintoneを活用し、各種情報を統合データベースへと集約する仕組みを整備。拠点を横断した情報の統合を進めている。コーポレート側が運用する基幹システムの情報もあわせて統合データベースへと取り込む仕組みに「ASTERIA Warp Core」を採用し、データ連携の工数削減に加え、MDM(マスターデータマネジメント)の強化にも役立てている。
導入背景
- 設計・製造などの各種情報について、国内外の製造拠点でExcelやAccessを使ったローカルファイルによる属人的な管理が行われており、データの不整合などのリスクが避けられなかった
- 各拠点で製造品質を担保するため、分散管理されているデータを整理・集約して、共有することが必要
- 高度なデータ活用を実現するために、機械工具事業本部独自のデータと全社基幹システムのデータを統合して一元管理する仕組みの構築が求められた
選定ポイント
- 自社の基幹システムとのデータ連携をはじめ、多様なシーンでの活用実績があり、信頼性が高い
- OracleやSQL Serverといったデータベース、kintoneなどのSaaSと簡単に連携でき、高い開発生産性が期待できた
- データ加工にかかわる機能も充実していて、大量なデータ項目の一括変換や複雑な加工も容易
効果
- ノーコード開発による簡便かつスピーディなデータ連携処理の実装を実現。単純な連携であれば1件あたり20~30分程度で開発可能
- スケジュール実行やRPAツールと連携した自動実行により、データ連携処理にかかわる作業負荷が皆無に。720万円/年相当の人的工数を削減
- ExcelやAccessなどローカルファイルによるデータの管理運用をkintone上に集約。現場の属人的な情報管理から脱却し、製造拠点を横断したマスタデータ統制によるMDMの強化を実現