[マックス株式会社]
生産本部室長兼 システム統括部担当
樋口 浩一 氏
「ASTERIA Warpは以前から評判が高く、名前をよく知っていました。システム同士を接続するインターフェースをその都度つくるとコストも工数も掛かるし、変更があれば接続部を改めて、いちから作り直さなければなりません。インターフェースとシステムが増えれば増えるほど作業は面倒になるので、関連システムを直接接続するのではなく、ASTERIA Warpを介して柔軟性のあるデータ連携を進める方向になりました」と語るのは、マックスの樋口浩一氏だ。
ASTERIA Warp導入の決め手は、第一に国産製品であることだった。樋口氏は「基幹系システムに組み入れるものは、一度導入したら継続的に使えなければなりません。海外製品の場合には、買収などによって体制が変わってしまえば、それで手詰まりになる心配がありました。また、国産製品は、何かトラブルが起きた場合でもサポート対応が早く、迅速に問題を解決することができます」と説明する。
もう1つ、導入の大きな決め手になった点は、メールで送受信したデータを自社システム内に自動的に組み込める機能をASTERIA Warpが備えていることだった。実は同社がASTERIA Warpを導入した主目的の1つは「メールEDIシステム」を構築することにあった。従来のメール処理では、オペレータの手を借りた人海戦術が主流だった。メールの添付文書を開いて加工し、データベースにデータを登録したり、顧客に返信したりと、業務処理の工数が多く、課題を残していた。
しかしASTERIA Warpを利用すれば、受信メールの添付ファイルを抜き出し、その内容を加工してからデータベースに格納したり、あるいは逆にデータベースからデータを抽出し、それを加工してメールにファイル添付してから相手側に送信することも可能だ。樋口氏は「ASTERIA Warpの魅力はシステムを限りなく自動化できる点にあります。完全なる自動化を考える場合には、人手をまったく介さずに基幹システムとメールを連携できるASTERIA Warpが最適なソリューションになると確信しました」という。
完全自動化のコンセプトのもと、同社はメールEDIシステムの構築をスタート。同社が現在までにASTERIA Warpを使って開発したメールEDIシステムは【図1】のようになっている。以下、それぞれのシステムでASTERIA Warpがどのように活用されているのか見ていこう。
取引先の注文をメールで受けて、ASTERIA Warpでデータを自動的に更新し、相手にメールを返信する。仕組みは次のとおりだ。
検収データと請求データの突合システムでは、以下のような流れでASTERIA Warpを活用している。
システム統括部 システム企画課
千葉 一博 氏
千葉氏がASTERIA Warpの多彩な機能の中で特に気に入ったことは、「取引先へ修理見積書を送信するシステムを構築した際に利用したPDFの自動生成・加工機能だ」という。さまざまなドキュメントを1つひとつ手作業でPDF化することは手間が掛かる作業だ。ASTERIA Warpを導入すれば、ドキュメントや、データベースに格納されている情報を瞬時にPDF化できる。「我々にとってPDFによるドキュメント配布は、セキュリティ面から必要最小限の選択肢の1つに入っていました。PDFでやりとりすれば、内容を改ざんされる心配もありませんし、ドキュメントコントロールも可能です」と樋口氏は、そのメリットについて説明する。
また開発工数の削減もASTERIA Warpのメリットの1つだという。千葉氏は「ASTERIA Warpならば、アイコンを配置して設計できるので、コツさえ覚えれば複雑なシステムの自動化が短時間で実現できます」と胸を張る。千葉氏は、過去にSEとしての研修を受けており、ロジック面での素養を持っていた。そこで、プログラミングの経験はあまりなかったものの、自分でASTERIA Warpをいちから勉強して、今回の自動システムを完成させたという。これもひとえにASTERIA Warpが柔軟な設計思想を備え、開発者に対する利便性を深く追求した賜物といえるものだろう。
ASTERIA Warpによって開発工数を従来よりも約半分ほど削減できたが、さらに効果が大きいと感じているのはシステム開発後の話だという。千葉氏は「システム運用時に何かトラブルが発生すると、通常のプログラミングでは何千行ものコードからデバックしなければなりません。しかし、ASTERIA Warpで開発すれば、どこにエラーがあるのかフローを見てひと目でわかるため、すぐに原因を特定することが可能です。データ連携もスムーズに行なえるので、追加・変更など機能の組み換えも容易に対応できます」と語る。
また、本件の導入サポートを行ったのはASTERIA Warp マスターパートナーであり、EDI/EAI分野における豊富なノウハウをもとに、金融・製造・流通・医療・公共など幅広い業種で、システム構築から運用・保守までの一貫したソリューションを提供している住商情報システム(現:SCSK株式会社)だ。「もともと基幹系・情報系システムのほとんどを自社で開発していましたが、マックスのデータ連携に対するニーズに住商情報システムの経験が合致したため、同社に導入サポートをお願いしました。住商情報システムのデータ連携におけるノウハウが本プロジェクトを成功に導いてくれました。」と樋口氏は導入サポートに関して高く評価をしている。
では、ASTERIA Warpを導入して得られた効果を見てみよう。たとえば、前述の受発注システムでは、ある取引先に対して月平均160枚の伝票を25時間かけて手作業で入力していたものが、自動化によって確認作業だけで済むようになったそうだ。また、取引先検収データとマックス側請求データの突合における効果は、ある取引先の場合では従来8時間ほど要していた作業が50分に短縮され、最大90%も工数を削減できたという。同社では、このようなメールEDIのほかに、給与システムへ情報を送る前段階として、人事システムのデータ取り込みなども、ASTERIA Warpによって自動化している。こちらは手作業で2時間かかっていたが10分程度まで短縮することができた。
同社は、今後も引き続き、海外の流通システムや、受発注のEDI化など、現状システムの拡張を視野に入れて、全般的にメールEDIを進めていく方向だ。さらに樋口氏は「現場サイドに立って業務プロセスを把握したうえで、ASTERIA Warpというツールでどのような新しい使い方を実現していくか、さらなる適用範囲を考えていきたい」と語る。その言葉には、ASTERIA Warpを利用して広がる無限の可能性に対する大きな期待が込められていた。
※この内容は2008年10月時点のものです。
東京都中央区日本橋箱崎町6-6
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