ASTERIA Warp導入事例:
近畿産業信用組合

近畿産業信用組合

基幹業務のクラウド化をASTERIA Warpで支える
Excelで自動連携を制御し、運用負荷は70%削減

[近畿産業信用組合]

業種:
金融業,保険業
利用シーン:
帳票処理, 開発基盤
連携製品:
Excel / CSV, 特定業種向けクラウド / ASP

各部門の業務フローはそのままに「所有から利用へ」の転換を実現

「地域社会への貢献」を使命に、近畿圏の中小企業・個人事業主などへ多様な金融サービスを提供する近畿産業信用組合。同組合は2009年、メインフレーム上で独自に運用していた勘定系システムを、全国の信用組合が共同利用するシステムセンターへ移行した。その過程で、部門ごとに利用している30のサブシステムとのデータ連携に「ASTERIA Warp」を導入。運用工数削減、開発期間短縮などの効果を得ている
陽川氏

近畿産業信用組合
事務部
副部長
陽川氏

業界クラウドの利用に際し
既存システムとの連携が課題に

 近年、ビジネスにおけるクラウド活用がさらに加速している。パブリック/プライベートを併用するハイブリッドクラウドなど、企業の利用スタイルは多様化。それに合わせたクラウドサービスも次々登場し、なかには特定業界に共通した業務向けのアプリケーションをクラウドで提供するといったサービスも登場している。
 この潮流は金融業界にも押し寄せている。近畿産業信用組合も、そうしたサービスを活用する組合の一つだ。
 同組合では従来、自前でメインフレームを所有し、勘定系処理を行ってきた。しかし、運用管理が負担になっていたこともあり、2007年に、勘定系システムを信組情報サービス株式会社が運営する「SKCセンター」に移行することを決定。SKCセンターとは、全国約150の信用組合が共同で利用する勘定系および情報系の業務処理センターのことで、いわば金融業の共通業務を一括提供する、「業界クラウド」の一種だ。
 「これにより、システム全体の運用工数や管理費用を大幅に削減できると判断したのです」と同組合 事務部 副部長の陽川氏は言う。
 しかし、SKCセンターの利用には問題もあった。それが、データフォーマットの問題である。
 SKCセンターは共同利用システムのため、出力されるデータのフォーマットは、個別の組合向けには最適化されていない。「“生” のデータを業務用サブシステムへ取り込むとエラーになってしまうため、SKCセンターのデータを必要とする約30ものサブシステムについては、ほぼすべてを改修する必要があったのです」と陽川氏は打ち明ける。
 改修には数カ月の期間と膨大な費用がかかる。さらに、たとえ改修が無事完了しても、現場スタッフがシステム変更に慣れるまでの間、運用上のトラブルが多発することは容易に予想できた。「そこで、システムの改修を行うことなく、SKCセンターを活用する方法を模索していました」(陽川氏)。

平山氏

近畿産業信用組合
事務部 システム開発課
課長
平山氏

センターとオンプレミスをASTERIA Warpで連携
開発生産性、運用効率の高さが決め手

 この課題を解決するために、同組合が選んだのがインフォテリアの「ASTERIA Warp」を導入することだった。同組合 事務部 システム開発課 課長の平山氏は、選定理由を次のように述べる。「SKCセンターから来たデータをASTERIA Warpで自動変換し、サブシステムへ送る。この方法なら、従来のシステムを活かしたまま、SKCセンターのメリットも享受できると考えたのです」。
 実は、同組合では当初、別の方法も検討したという。それが、従来のメインフレームをそのまま残し、SKCセンターのデータをいったんメインフレームで受けてデータを変換するというものだ。「実際、この方法をとる組合は多数あります。しかし、メインフレームは開発言語にCOBOLを使っていたため、管理できるスタッフが限定されてしまう。その点、ASTERIA Warpなら、GUIでコンポーネントをグラフィカルに配置していくだけで機能を実装できるなど、扱いが直感的で簡単な点も評価ポイントとなりました」(平山氏)。

誰でも使えるExcelファイルで
システム連携フローを制御

 近畿産業信用組合の現在のシステム構成は下の図のとおり。SKCセンターから出力されてくる日次・月次のデータは、一度「信組サーバー」と呼ばれるローカルのサーバーにレプリケーションされる。ASTERIA Warpは、それらのデータを個別のフォーマットに変換し、30余りの既存サブシステムに配信している。
 データの自動変換に当たっては、変換条件の設定作業を極力簡単に行えるような工夫を施している。その一例が、Microsoft Excel形式でのシステム制御の実現だ。
 例えば、各サブシステムへ送るデータは、SKCセンターから送られてくる多くのデータから必要なものだけを抽出し、組み合わせて作成される。しかし、月次データは、一度に送られてくるのではなく、月初の数日に五月雨式に送られてくる。「このファイルの管理を人力で行っていては、手間がかかる上、人為的なミスの発生リスクも高まります」と平山氏は言う。
 そこで、同組合は、必要なデータが揃うのを待ち、揃ったタイミングでデータ変換を開始するという機能をASTERIA Warp上に開発・実装。その条件設定ファイルを、使い慣れたExcelで作成できるようにしたのだ。

 同時に、変換後のデータはFTPを使ってサブシステムに自動配信しているが、その際の「配信先」「配信ファイル名」の設定にもExcelファイルを用いている。
 「使い慣れたExcelを簡単に処理に組み込むことができるASTERIA Warpの特長を活かし、『プロジェクト名』『実行サイクル』『配信先』など、必要情報をExcelに入力するだけで、誰でも処理・配信内容を設定できるようにしたのです」と平山氏は説明する。これにより、システム管理者などの特定の職員に依存しない、使いやすいシステムが実現できたという。
 このほか、同組合はASTERIA WarpのPDF作成機能を活用し、各種帳票の電子化も推進。ASTERIA Warpでは、ドキュメントのレイアウト変更やコメント追加なども簡単に行えるため、各支店のニーズに合わせた帳票を容易に作成できるようになったそうだ。

イメージ図

システム運用の手間を70%削減
処理フロー開発期間は1/2以下に

 ASTERIA Warpは、ほかにもさまざまなメリットを同組合にもたらした。「処理の自動化に加え、管理コンソールから一元管理が行えるといった管理性の高さによって、運用管理の手間が大幅に削減できています」と陽川氏は満足感を示す。具体的には、従来10人体制で行っていたシステムの運用管理が、現在は3人体制で済んでいるという。
 構築後も、金融サービスの拡充にともない、各サブシステムが処理するデータ類は増加の一途をたどっている。現在、ASTERIA Warpでのデータ変換処理は300本を超え、なおも増え続けているそうだ。「もし、メインフレームを残しCOBOLでプログラムを開発していたら、現在と同じ数のデータ変換の処理フローを作るのに、2倍以上の期間がかかっていたでしょう」と平山氏はASTERIA Warpの開発効率の高さについても評価する。
 現在、同組合の総預金額は1兆円を超える。2021年度には総預金8兆円、2031年度には総預金80兆円を目標に掲げ、現在も積極的な営業活動を推進している。
 「ASTERIA Warpはいまや当組合の中核システム。『金融業は情報産業』と言われる現在においては、成長戦略の一環として、IT投資に積極的に取り組むことが重要だと考えています」と陽川氏は述べ、ASTERIA Warpのさらなる進化に期待を込めた。

システム構成図

近畿産業信用組合

大阪府大阪市天王寺区筆ヶ崎町2-8

URL:http://www1.kinsan.co.jp/

1953年設立の「日本芸術家信用組合」を前身とし、2001年に名称を「近畿産業信用組合」に変更。大阪府をはじめとする近畿圏および岐阜県、長崎県に32店舗を構え、地域の中小零細企業を中心に預金や貸付などの金融サービスを展開する。組合員数146,605名、総預金1兆672億円、総貸出金5,368億円(2012年3月末現在)。

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