月別アーカイブ: 2017年12月

2018年カレンダーに込めた3つの念い

いよいよ2017年も残り僅かとなり、来週から2018年。

インフォテリアの2018年カレンダーも出来ました。このカレンダーは、単なるロゴ入りカレンダーとは違う3つの念いを込めています。その念いとは・・・

(1) 世界10ヶ国/地域の祝日が一目でわかる

 

インフォテリアは創業の時から世界を目指しています。現在は5ヶ国に展開をしています。そこで、カレンダーには環太平洋+英国、合計10ヶ国/地域の祝日が印されています。わかり易いように日付の所にフラッグで示しています。

祝日収録国:日本、英国、米国、中国、台湾、シンガポール、カナダ、韓国、タイ、オーストラリア

(2) 小国町(熊本県)、仙北市(秋田県)への貢献

 

カレンダーの裏面にはインフォテリアがCSRの一環として支援を行っている、熊本県阿蘇郡小国町と秋田県仙北市の美しい景色を毎月楽しめます。

ブランド杉「小国杉」を持つ小国町では、「インフォテリアの森」として5,000本の杉の保全費用を毎年負担するとともに、オフィスでもふんだんに「小国杉」を活用し、さらにHandbookで町の災害時の情報共有に貢献しています。

通称「千本桜」を持つ仙北市では、千本桜の保全費用を毎年負担するとともに、Handbookでインバウンドの観光客への市の名所情報提供に貢献しています。

(3) This Placeとのコラボレーション

そして、カレンダーの表紙は、4月にM&Aにより今年4月にインフォテリアグループに加わったThis Place社のデザインチームによるデザインです。このデザインは、それぞれのチームが未来に向かって力強く進んで行く様をイメージしたものです。

2018年も、インフォテリアは大きな成長を目指し、グループ全体で挑戦を続けていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

ICOの光と影

ICO (Initial Coin Offering)が話題沸騰です。

私が基調講演を務めさせていただいた、日経BP社主催の「1日で理解するICO」のセミナー(2017年11月16日)でも決して安くない金額にもかかわらず、満員御礼。BCCCで開催したICOセミナー(2017年12月8日)は椅子が足りずに通路にまで椅子を出して対応したほどです。

その理由は、調達金額の大幅な伸びによります。2017年のICOでの資金調達額は全世界で4,000億円(相当)を超え前年の40倍に迫る勢いで、1件での最大調達金額は300億円(相当)にもなります※1。ブロックチェーンを軸とするスタートアップの資金調達においては、これまでの主力資金調達先であったベンチャーキャピタルからの投資額を超えています。国内でも、既に100億円(相当)を超えるICOが実施され、スタートアップ企業や個人投資家の間で熱気が高まっています。

この調達金額は、ビットコインなどの仮想通貨高に支えられたものですが、一時的な現象と見ないほうがよいでしょう。これから、仮想通貨が価値交換の基盤として一定のポジションを確立することは間違いなく、それに伴って、ブロックチェーンが支えるデジタルトークンを使った非中央集権的な価値交換が普及して「トークンエコノミー」の時代が訪れます。そして、ICO はその端緒として、資金調達側にとっても、資金提供側にとっても革新的な幅の広さと自由度を与えるのです。

一方で、この熱気には気を付けなければなりません。それは、これから詐欺的ICO(他のICOの偽装、トークンを発行しない等)や失敗ICO(交換所に上場出来ない、調達金額が大きく不足する等)が激増することが目に見えているからです。ですから、「ICOに参加をしないか」という話を聞いた場合には、まずは疑ってかかることです。

さらに、ICOという名前から「IPOの仮想通貨版」という誤った認識が多いことにも気を付けないといけません。下図にあるように、多くのICOの調達金額は、ICOで発行したデジタルトークンを仮想通貨取引所に上場する前の調達のことを指しています。

ICOの理解がないままに「儲かりそうだから」といって、ICOに参加するのは極めて危険です。すでに、金融庁でも注意喚起を発し、BCCCでもステートメントを出している通り、法律も、会計基準も、税制もまったく追いついていません。つまり、参加しても法律やルールによって保護されるものは何もない前提で考えなくてはなりません。さらに、国外では、韓国や中国のようにICOそのものを現時点では禁止している国もあります。何が起こっても100%自己責任ということを改めて認識してください。

ICOの本来の意義は、そのプロジェクトに賛同や参加をして一緒に価値を上げ、価値を享受していくというところにあります。自らが賛同できる応援したいプロジェクトに対して、これからの新しい形のエコノミーに参加をしてみるということなら、大いに価値があります。

デジタルトークンや仮想通貨で形成されていく新たな「トークンエコノミー」は、社会を「階層・規律・統制」の時代から「自律・分散・協調」に変えて行く破壊力を持っています。ICOが気になる人は、短期的な損得に囚われず、その意義と価値を「自ら」考えて取り組むことをおすすめします。

※1:出典:CoinSchedule.com