月別アーカイブ: 2017年7月

英国のブロックチェーンハッカソンで優勝!

インフォテリアグループのThis Placeの開発チームが英国ロンドンで先週末に開催された、ブロックチェーンのハッカソン「Break the Block」で優勝しました!

このハッカソンは、保険業におけるブロックチェーンの適用の可能性を探るもので、主催は米国の保険大手Travelersの傘下のSimply Business社。参加したチームは、This Placeの他にAccenture, KPMG, Microsoft, HSBCそしてCryptoCompareからなど、全10チーム。This Placeのチームは「Coders Without Insurance」というチーム名で参加し、並み居る強豪の中で、最優秀賞を獲得しました。

チームリーダーのChristoph Burgdorfer(写真:左から2人目)は、This Placeの開発ディレクターで、現在インフォテリアの東京R&Dセンターとも共同で新たなプロジェクトを開始しています。彼が率いるチームが今回作ったのは、イベントに関わる保険の支払を実際の天気に応じて自動化するというもので、保険料率の計算のために天気予報APIを使い、実際の天気の取得のためにIoTセンサーを使い、また保険の支払にはEthereumのスマートコントラクトを使うというものです。

Christoph Burgdorferのコメント:
“I was really impressed by the level of innovation and creativity at this year’s Break the Block hackathon. I believe that our team did an outstanding job in putting together a solution that could set the bar for the next generation of insurance.”
(訳:今年のBreak the Blockハッカソンにおける革新性と創造性のレベルの高さに感銘を受けました。私たちのチームは、次世代の保険業の基準となり得る、素晴らしいソリューションを提案することができたと確信しています。)

今回、This Place開発チームが取り組んだブロックチェーンの活用例は、これまでの保険業におけるブロックチェーンの適用例をさらに広げるものとなります。つまり、これまでの実証実験では、保険証券のブロックチェーン化(貿易保険:東京海上日動火災保険株式会社、株式会社NTTデータ、銀行保険:IBM、AIG、等)が行われていましたが、そこからさらに広げて、オープンAPIやIoTと組み合わせた保険業務におけるブロックチェーン適用例となっています。

またこれは、インフォテリアが推進している金融勘定系以外におけるブロックチェーンの具体的な可能性をまた一つ示したことになります。これからもインフォテリアグループでは、幅広い産業におけるブロックチェーンの適用のための活動を続けていきます。

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「Gravio」、登場!

ブログでのご報告が遅くなりましたが、去る6月21日、ようやくGravioの出荷を開始しました!2013年の製品戦略説明で「Gravity」という開発コード名に触れてから4年、いよいよです。

時間をかけた分、ビジネスや社会のインフラとして必要度の高い領域にユニークなポジショニングでの提供を開始できたと考えています。Gravioは、まだ多くの人がその姿をイメージできないであろう、エッジコンピューティングという新しく大きな市場に向けたミドルウェアです。全てのIoTデバイスをクラウドだけで接続できるわけはなく、IoTデバイスとクラウドの間のエッジミドルウェアは必須となります。また、そのエッジミドルウェアは、単にセンサーデータの橋渡しだけでなく、今後はIoTデバイスの制御とシステムとの連携で大きな役割を果たすのです。

さて、提供を開始したからこそできる裏話をしましょうか。

なぜ、提供開始にここまで時間がかかったのか?

最初に「Gravity」を説明したときには、Handbookが情報のOutputが主なことに対して、当初Gravityは情報のInputを行うソフトウェアとして設計開発しました。つまり、Handbookと対になるようなソフトウェアとして説明しました。しかし、製品の開発を進めるうちに、InputとしてIoTを含め他幅広いデバイスへ対応することで、これまでに無い新たな価値を創りだせることに気がついたのです。そこで、その実現のためにそれまでに書いていた「Gravity」のプログラムコードのほとんどを捨てて書き直しました。さすがに、プログラムコードを捨てたことは、その時点では外部には言えませんが、プログラムコードを捨てることは、インフォテリアではよくあることなのです。本当に良い製品を作るために。

このようなことから、「Gravity」として紹介した後に、プログラムコードを捨ててゼロから書き直すことにしました。これも全て、デバイスの時代のつなぐ主役になること、それを世界中でより多くの人により長く使っていただきたいとの思いからです。結果的に当初想定していたより約2年遅れての登場です。そして、そのファーストバージョンがようやく誕生したのです。

これまでも、「ASTERIA」は15年間(そのうち最近の10年は市場シェアNo.1)、「Handbook」9年間(そのうち最近の5年は市場シェアNo.1)と長い間ユーザーが増え続けています。このように長い間使っていただくソフトウェアにするには、単に目の前のマーケットニーズに応えるのではなく、長期的な技術トレンドの見極めと、そこに対する積極的な投資が必要です。また、一方で違う方向性を確信したときには、過去の投資に未練を持つのではなく、勇気をもって新たな確信に進むことも大事です。

実は、ASTERIAもHandbookも何回もプログラムコーディングを捨てて書き直しています。長続きするソフトウェアには理由があります。それはユーザーニーズの側面からはわからない、プロフェッショナルとしてのアートなのです。

【P.S.】
Gravioはすぐにダウンロードして使うことができますが、Gravioについて、デモも含めて詳しい説明を聴くことができるセミナーを開催します。しかもGravioだけでなく、その周辺についてもその道のエキスパートの方々からの解説まで!お申し込みはこちら↓
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