シンガポールLIFE」カテゴリーアーカイブ

世界を駆ける筆に込めた「念い」

 貴重な経験でした。

先週末に、シンガポールでの日曜恒例の早朝ランの後、書家の前田鎌利さんの揮毫(きごう)のサポートをさせてもらったのです。

前田鎌利さんは「日本の文化を未来へ継ぐ」の理念のもとに、国内での活動だけではなく、海外でも書を中心とした日本文化発信の活動を行われています。

これまでにも、米国、台湾、スイス、フランス、ベルギー、イタリアなど数々の国を訪ねて揮毫をされてきましたが、今回、いよいよ初のシンガポールでの揮毫です。

シンガポールでの揮毫の場所に選ばれたのは、以下のような象徴的な場所でした。

・Merlion Park(マーライオン公園)
・Gardens by the Bay(ガーデンズバイザベイ)
・Sri Mariamman Temple(ヒンズーの寺院)
・Masjid Sultan(イスラムの寺院)
・Hillman Restaurant(ペーパーチキンの店)
・Fullerton Hotel(元海軍省、元郵便局のホテル)
・National Museum(国立博物館)
・Lao Pa Sat(ホーカー:屋台村)

その場所に立ち、周辺を見て歩き、音を聴き、気を感じて、揮毫が行われます。観光地では周りに人だかりができます。個性ある、時には力強く、時には優しく、そして時には目を見張る書が捻り出される瞬間に触れて、鳥肌が立つ思いがしました。

 

例えば、Sri Mariamman Templeでの、この揮毫。「神神神・・・・」寺院の門のイメージの書となっています。

 

例えば、Lao Pa Satでの、この揮毫。「交差点」。シンガポールの今と昔の交じり合う場所のイメージの書となっています。

そして最後に、インフォテリアのシンガポールオフィスでも揮毫。私の経営の師匠だった堀場雅夫さんの志を受け継いで、現在の中期経営計画のスローガンとしている「おもしろ おかしく」を選びました。出来上がった書は、写真のとおり。人によって感じ方は違うでしょうが、私は肩を張らず時代に合ったしなやかさ、スマートな趣きを感じました。

私は常々「外に出よ」という意識を持っていますし、そうアドバイスをします。それは、枠の中には無い、組織の中には無い、日本の中には無い、視点や刺激を得ることができるからです。しかし、今回の前田さんの揮毫をサポートしながら、外に出るからには、視点や刺激を「得る」だけでなく、自らも新たな視点や刺激を「与える」存在でありたいものだと、改めて唸りました。

人をHAPPYにするIT@空飛ぶ誕生日

今日、8月25日は私の誕生日です。

そして、いつも夜行便を使っている関係で、8月24日に東京を発ち、翌25日早朝にシンガポールに着くというフライトにたまたま乗りました。いつも通り、羽田空港国際線のカウンターに荷物のチェックインに行くと、「お誕生日おめでとうございます。お座席をアップグレードさせていただいています」とのこと。渡されたチケットを見ると、「HAPPY BIRTHDAY」と印字されているではないですか!

今年は一人寂しく誕生日を迎えるのだなと、まあそれも仕方ないと思っていたところでのサプライズ。航空会社の心遣いにとても嬉しくなりました。そして、いつも通りラウンジで「メイフラワー」を飲んでいると、ラウンジの女性2人が「平野様、お誕生日おめでとうございます!」と言いながら、バースデーメッセージがチョコで大胆に入ったデザートプレートを運んでくるではないですか!マイレージ会員サービスだろうとは思っても、嬉しさがこみ上げてきます。これまで他の会員サービスでは、ショートケーキが出てきたり、クッキーをもらったりなどのサービスを受けたことはありますが、ここまで手の込んだプレートをいただいたのは初めてです。

搭乗時刻になり、ゲートに向かいます。ゲートでチェックインをすると、地上係員の女性がすっと寄ってきて「平野様、お誕生日おめでとうございます!」と。私はまた驚いて立ち止まって「ありがとうございます。」と言うと、その女性は、「あ、歩きながらで構いません」とのことなので、一緒に歩き始めました。チケットのアップグレードや誕生日プレートなどに驚いたことやその御礼を伝えていたところ、機内へのブリッジに入る手前で立ち止まり、「これ、記念のプレゼントです。」と小さな箱を渡されました。

機内に入り、その箱を開けてみると、それはレザーのペンケース。しかも、小さな可愛い飛行機の飾り付きです。いくらマイレージ会員サービスとはいえ、ここまでされると感激してしまいます。ほどなく飛行機は離陸。夜行便でしっかり睡眠するために、離陸と同時に眠り込みました。

いつもは、着陸時の衝撃で目が醒めるのですが、今日は子供から頼まれた免税品を買うために早めの目覚めです。免税品カタログで目当てのものを探し出し、CAさんをコールボタンを押すと、「平野様、お誕生日おめでとうございます!」と言いながら、2つ折りのカードを差し出されるではないですか。開いてみるとそこにはCAさんの手書きのバースデーメッセージが!4回目のサプライズです。私のハートは、もう掴まれてしまいました(笑)

誕生日という1つのイベントに、1つの会社から4つものサプライズを受けましたが、職業柄か、一番感心したのは一番地味とも言える「HAPPY BIRTHDAY」の文字が印字されたチケット。プレゼントをいただいた方に、誕生日プレゼントのサービスは以前からやっているのかと訊いたら、現場からのアイディアで、1年ほど前に始まったのだそうです。そして、チケットに「HAPPY BIRTHDAY」の文字はつい数ヶ月前に始まったと。「システムの人が対応してくれて嬉しい」と、私にプレゼントを渡してくれたその方はおっしゃっていました。

システム部門では思いつかない現場ならではのアイディア、そしてそれをしっかり実現するシステム部門。ITを生業にしていると「ITは人を幸せにしているのか?」とよく議論されます。そのような中で、たった13文字で幸せな気分になることを実感できました。たかが13文字、されど13文字。人をHAPPYにするITに生で触れ、やはり人のHAPPYは人がつくるのだと、それを支援できるITを提供していきたいと、温かい気持ちになりました。

シンガポール チキンライス ランキング 2015

シンガポールに赴任して1年が経ちました。

最近では、シンガポールのことを色々と聞かれることが増えましたが、定番の一つはシンガポール料理についてです。東南アジアの料理の中では、タイ料理、インドネシア料理、ベトナム料理などがポピュラーですが、日本ではシンガポール料理店は少ないので、あまりイメージがわかない人が多いのではないでしょうか?

シンガポールは元々マレーシアの一部で、今年で建国してからまだ50年しか経っていないため、これぞシンガポール料理というものは、そんなに多くはありません。メジャーなところでは、チリクラブ、チキンライス、バクテー、ラクサあたりです。

その中で、辛くなく子供から大人まで広く人気のあるシンガポール料理がチキンライスです。日本ではチキンライスというとケチャップ味の鶏チャーハン(写真右)ですが、シンガポールのそれは全く違うものです(写真上)。

さて、世は師走で、様々な年間ランキングが発表され始めています。私もこの1年間で様々な所でチキンライスを食べる機会がありましたので、その中でのシンガポールチキンライスの私的ランキングをお届けします。(文中、S$はシンガポールドルで、S$1=約90円)

第5位 Chatter Box
場所:Mandarin Orchard Hotel 内

高級チキンライスとしては、最も有名な店でしょう。しかし、チキンライスの値段はなんとS$27。しかも税、サービス料は別なので、会計はS$30を超えます。ホーカーセンターの10倍近くしますが、味はホーカーセンターと大きな違いはなく、清潔感、雰囲気、器、サービスが違うところです。Marina Bay Sands Hotel、Westin Singapore Hotelと並んで、シンガポール最高値でコスパは悪く、お客様とのランチ向けです。

雰囲気:★★★★★
味  :★★★★
コスパ:

第4位 Tian Tian (天天)
場所:Maxwell Food Centre 内

チャイナタウンの外れMaxwellのホーカーセンター内にあります。地元の人達にも人気でランチ時は長い行列ができています。数年前にここで働いていた料理長が経営者と衝突して独立した店が同じ並びの3軒先にできていますが、人気は相変わらず。観光客も来るためか、価格はMサイズS$5.00でホーカーにしては高めです。

雰囲気:★★★
味  :★★★★
コスパ:★★★★

第3位 Loy Kee (黎記)
場所:342 Balestier Rd, Singaopre 329774

老舗でガイドブックにもよく登場している店です。スープがなかなかいい味を出しています。野菜とのセットでS$7とリーズナブルです。私はいずれの店でもSteamedがオススメですが、店内で見渡すとこの店はRoastのファンも多いようです。中心部から離れたところにあるので観光で行くのは難しいですが、宿泊がたまたま近い場合には行くと良いでしょう。

雰囲気:★★★★
味  :★★★★
コスパ:★★★

第2位 Tong Fong Fatt (東風発)
場所:Amoy Street Food Centre 内

数あるホーカーセンターのチキンライスで私のイチオシはここです。ボーンレス(骨なし)が売りで、$3.50。コスパは最高レベルなので地元民に人気でいつも行列ができています。雑然とした雰囲気でかつ冷房なしでも大丈夫な人は、ここに限らずホーカーセンターのチキンライスはオススメです。昼時は席を取るのが難しいので、少し時間をずらして行くとよいでしょう。

雰囲気:★★★
味  :★★★★★
コスパ:★★★★★

第1位 Wee Nam Kee(威南記)
場所:101 Thomson Road, #01-08 United Square, Singapore 307591

今年7月に、日本進出を果たした老舗店です。チキンライスが$4.50、野菜とのセットが$7.50。エアコンが効いていてコスパの良い美味しいチキンライスならここ。シンガポールの自宅が近いこともあり、よく行っています。ちなみに、東京の店は田町にありますが、米が日本国産米で食感が随分異なるので注意が必要です。

雰囲気:★★★★
味  :★★★★★
コスパ:★★★★★

物価が東京よりも高いと言われるシンガポール。実際に住んでみてその通りであることを実感しているのですが、食事に関していえばランキングでもわかる通り、ホーカーセンターなどでは500円以下で食べられるものも少なくありません。シンガポールが2度目以上の人はぜひホーカーセンターでの食事もトライしてみてください。

なぜ夜行便でぐっすり寝られるのか?10の工夫

今日の決算発表のために、昨日早朝にシンガポールから帰国し、朝8時から東京オフィスで執務しています。前日は夕食後のミーティングまでシンガポールで済ませたにもかかわらず。

これが可能なのも、シンガポール〜東京間に深夜発で早朝着の夜行便があるからです。しかも、全日空、日本航空、シンガポール航空各社1便、合計3便もあるのです。私は、この夜行便が週中の移動でも一切職務時間を潰さずに移動できるので、大変好きで重宝しています。しかし、この話をすると、「飛行機では十分な睡眠が取れないので夜行便は避けるべき」とか「時間のために体を犠牲にすべきではない」というアドバイスをよく受けます。

私は、前職(外資系)で、海外出張を頻繁にしていたこともあり、飛行機の中(エコノミー席であっても)でぐっすり寝るのは得意としています。つまり、十分な睡眠は取れているし、体も犠牲になっていないのです。

「それって平野さんだからできるのですよ」と言われることがありますが、私とて夜行便でぐっすり寝ることができるのは、慣れだけではありません。実はいくつもの工夫をしているのです。そこで、今日はエコノミー席であってもぐっすり寝ることのできる私の工夫を紹介しましょう。

(1)窓際の席をとる

窓側の席であれば、他の人のトイレ移動で安眠妨害されることがありません。さらに、眠って傾く方向を固定化できるので安心です。通路側の席だと通路側に傾いたときにガクンとして目が覚めてしまうことがありますし、逆の場合隣の人に迷惑をかけてしまいます。

(2)用を足しておく

トイレで目が覚めてしまわないようにしなくてはなりません。最も大切なことと言っても過言ではありません。またエコノミーの場合は、横の人が眠っていたりすると通路に出るのが難しく、迷惑もかけるので、乗る直前に絞り出しておきます。

(3)寝不足気味にしておく

飛行機に乗る前日の睡眠をいつもより少なめにします。なお、時差ぼけ防止を兼ねる場合は、削る時間を睡眠時間の前にするのか、睡眠時間の後にするのか綿密な計算も必要です。コツは、行き先の時間帯に出来るだけ合わせることです。米国やヨーロッパのように時差が大きい場合には、減らすだけでなく、前日の寝る時間帯もずらします。

(4)食事をとらない

機内食を楽しみにしている人も多いと思いますが、あえてとりません。また、空腹で目が覚めないように搭乗する前にしっかり腹ごしらえしておきます。(水分は控えめで)

(5)アルコールを1杯だけ飲む

搭乗前にアルコールを1杯だけ飲みます。自分の好きなもので良いと思いますが、私は白ワイン。好きというだけではなく、搭乗前の時間がタイトな時に万一こぼしたりしてもダメージが少ないようにです。

(6)聞き流す系の言語プログラムを聴く

耳栓をする人もいますが、私は、耳が窮屈な感じがするので好きではありません。その代わりに私はノイズキャンセル機能のついたイヤホンで聞き流す系の言語プログラムを聴きます。眠くなること請け合いです(笑)。

(7)アイマスクをする

定番ですが、やはり目の前を暗くするのは、効果があります。IoT時代、こんなハイテクのアイマスクも出てきます。

(8)フットレストを作る

エコノミー席の場合は、フットレストがありません。私は、フットレスト代わりに、リュックサックを足下において足を置けるようにします。リュックサックの形によって置き方にも工夫が必要です。

(9)靴を脱ぐ

意外と効果的なのが靴を脱ぐこと。靴を履いたままだと、なんだか窮屈で寝付けません。靴を脱いで、機内用スリッパや靴下に履き替えます。

(10)「起こさないで」と伝えておく

いろいろな工夫でぐっすり寝れるようになっても、安眠妨害されないことが大事です。搭乗したらすぐに、キャビンアテンダントに食事でも飲み物でも「一切起こさないように」言っておくことが大事です。言っておかないと何かと起こされることになります。

いかがでしょうか?これで、あなたも夜行便をホテル代わりにすることができ、翌日の仕事が捗るはずです(笑)。