私の生まれ故郷熊本には方言があります。その方言「熊本弁」をアウェーの東京で喋りまくろうという会「熊本弁ネイティブの会」を主宰しています。
この会は、普段はFacebookグループでの活動(熊本弁だけで語り合う)を行っていて、それに加えて年に数回、リアルで熊本弁だけしか喋ってはいけないという飲み会を開催しています。その飲み会では、標準語を喋ったらくまモンの着ぐるみを着るという罰ゲームもあります(笑)
いまでは、メンバー数450名を超え、飲み会も毎回40〜50人が集まる会になっていますが、その秋の会を2週間ほど前に開催。今回は、「芸術の秋」ということで、会のメンバーの写真展とライブに併せての開催でした。いつもは私が司会をしているのですが、今回はメンバー2人からの希望で、司会をやってもらうことになりました。
四谷の九州料理居酒屋「四谷 有薫」を貸し切って行った今回は、息の合ったコンビ司会で自己紹介ゲーム(これももちろん熊本弁で)などのアトラクションも楽しく進んで行きました。そして、まさに宴もたけなわというところで、司会から「そんなら、こっから本当の会に入るけんね!」のかけ声が。一応主催者の私は「ん?本当の会てなんね?」と思っていると、「平野さんのシンガポール壮行会ばい!」との声が。
え!? なんと!!
そこからは2人の司会コンビに加えて、某有名誌の辣腕女性編集者が「壮行会」のメイン司会となって仕切っていきます。グリーンの大きな花束、記念の額縁入りの写真、熊本産の限定ワインなどを皆さんからの贈り物としていただきました。そして、
「平野さんのおかげで、ぎゃんやって繋がるこつができて、たいぎゃな感謝しとります!」と。
わたしは言葉に詰まってしまいました。元々自分自身がこういう場が欲しくて始めただけなのに、こんなに喜んでもらえるなんて。
それにしても、全く感づいてもいませんでした。熊本弁ネイティブの会の皆で、私の壮行会にしようという計画が水面下で進んでいたというのです。本当にサプライズです。たまがった!
そして、私に「ひとこと」とマイクが回ってきたのですが、感激のあまり何を喋ったかは正確には覚えていません(笑)。ただ、同郷といっても、ほとんどが東京に来てから知り合った人で、熊本弁という共通のよりどころを持つだけなのに、こうやって繋がって、本当に温かさを感じ、胸がいっぱいになりました。最近では、地方でもあまり方言を喋らないようになっているようですが、やはり共通のものを持つ仲間というのはいいですね。
言葉に限らず、共通の趣味を持つ「サークル」や、共通の夢を持つ「会社」。何かを共有することで、繋がって仲間になる。幸せを感じる。
「つながる」ことによって、人は喜び、幸せになれると、改めて感じた一夜でした。