月別アーカイブ: 2014年9月

つながる喜び つながる幸せ

私の生まれ故郷熊本には方言があります。その方言「熊本弁」をアウェーの東京で喋りまくろうという会「熊本弁ネイティブの会」を主宰しています。

この会は、普段はFacebookグループでの活動(熊本弁だけで語り合う)を行っていて、それに加えて年に数回、リアルで熊本弁だけしか喋ってはいけないという飲み会を開催しています。その飲み会では、標準語を喋ったらくまモンの着ぐるみを着るという罰ゲームもあります(笑)

いまでは、メンバー数450名を超え、飲み会も毎回40〜50人が集まる会になっていますが、その秋の会を2週間ほど前に開催。今回は、「芸術の秋」ということで、会のメンバーの写真展とライブに併せての開催でした。いつもは私が司会をしているのですが、今回はメンバー2人からの希望で、司会をやってもらうことになりました。

四谷の九州料理居酒屋「四谷 有薫」を貸し切って行った今回は、息の合ったコンビ司会で自己紹介ゲーム(これももちろん熊本弁で)などのアトラクションも楽しく進んで行きました。そして、まさに宴もたけなわというところで、司会から「そんなら、こっから本当の会に入るけんね!」のかけ声が。一応主催者の私は「ん?本当の会てなんね?」と思っていると、「平野さんのシンガポール壮行会ばい!」との声が。

え!? なんと!!

そこからは2人の司会コンビに加えて、某有名誌の辣腕女性編集者が「壮行会」のメイン司会となって仕切っていきます。グリーンの大きな花束、記念の額縁入りの写真、熊本産の限定ワインなどを皆さんからの贈り物としていただきました。そして、

「平野さんのおかげで、ぎゃんやって繋がるこつができて、たいぎゃな感謝しとります!」と。

わたしは言葉に詰まってしまいました。元々自分自身がこういう場が欲しくて始めただけなのに、こんなに喜んでもらえるなんて。

それにしても、全く感づいてもいませんでした。熊本弁ネイティブの会の皆で、私の壮行会にしようという計画が水面下で進んでいたというのです。本当にサプライズです。たまがった!

そして、私に「ひとこと」とマイクが回ってきたのですが、感激のあまり何を喋ったかは正確には覚えていません(笑)。ただ、同郷といっても、ほとんどが東京に来てから知り合った人で、熊本弁という共通のよりどころを持つだけなのに、こうやって繋がって、本当に温かさを感じ、胸がいっぱいになりました。最近では、地方でもあまり方言を喋らないようになっているようですが、やはり共通のものを持つ仲間というのはいいですね。

言葉に限らず、共通の趣味を持つ「サークル」や、共通の夢を持つ「会社」。何かを共有することで、繋がって仲間になる。幸せを感じる。

「つながる」ことによって、人は喜び、幸せになれると、改めて感じた一夜でした。

ブログ12周年とアジア

9月4日、本日でブログを書き始めてちょうど12周年になります。

現MITメディアラボ所長のJoi(伊藤穣一氏)の強い勧めで始めたもので、最初のエントリはこうでした。

12年と言えば、干支でひと周り。その間ずっとブログを書いてきました。リアルな日記は過去に1年間すら継続できたことがなかった私が、ブログを途切れることなく書き続けて来たことは奇跡といえるかもしれません(笑)

そして、このひと周りの間にIT業界内ではクラウド、スマートデバイス、ビッグデータなど大きな変化がいくつもありましたが、業界周辺の大きな変化の一つとして私が感じるのは、「アジア」がとても近くなったということです。

ブログを始めたころ、日本だけが活動フィールドだったインフォテリアはいま、アジア圏では上海、杭州、香港、シンガポールに現地法人を展開しています。

そして、この秋には私自身がシンガポールに赴いて、グループ全体の指揮監督をすることになります。これまで「日本発世界」を強く意識してきましたが、これから「アジア発世界」と意識が変わる日があるかもしれません。

ところで、昨日、今日と、「STARTUP ASIA TOKYO」というイベントが渋谷で開催されています。アジア各国からスタートアップ企業が集まり、自社のアピール、資金調達、情報交換などを行うためのイベントです。私も、このイベントのスピーカーの一人として参加しましたが、話されている内容、展示されているプロダクトなどを通じて、改めてアジアのスタートアップの熱さを感じ、また国の垣根がとてもフラット化していることを実感しました。

私がシンガポールに赴任することは、インフォテリアの判断ですが、やはりアジア全体の大きなうねりと無関係ではありません。自らそのうねりを肌で感じ、日本を外から見て中ではわからない価値を理解し、世界に向けた新たな一歩を踏み出します。

13年目のブログは、星の国シンガポールから新たに感じることや、新たな苦闘の日々の思いを綴っていくことになるでしょう(笑)