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UUIの先駆者となるか?「Flow」が人気です

インフォテリアの出資先、ドイツのSenic社が新しく発表した「Flow」という新しいデバイスが人気です。INDIEGOGO(インディゴーゴー)というクラウドファンディングで先行ユーザーの募集をしたところ、最初の10日間で目標金額の2倍をクリアしました。

Senic社は米国のY-Combinatorを卒業した会社の1社です。インフォテリアが出資していることは、いままで投資家向け情報でしか公開していませんが、昨年Y-Combinatorの卒業直後に出資を行い、支援をしています。

さて、この「Flow」という新しいデバイスは、コンピュータやスマートデバイスの操作を「画面の外」に持ち出して、人の体感を活かして制御するためのデバイスです。現在、コンピュータのソフトウェアの操作は、マウスにしろタッチにしろ全て「画面の中」で行いますが、「Flow」を使うと人間の手の感覚を活かして操作することができます。

例えば、私がよく使うプレゼンテーションソフトには図形を回転させる機能があります。そのユーザーインターフェイスは下図のようになっていて、回転角度を調整するには、のツマミをマウスで回す、の数字を直接入力する、の数値増減のボタンをマウスで押すという3通りもの方法が用意されています。①のツマミでの調整がGUI的には一見一番簡単そうに見えますが、実際はこのツマミをマウスで操作して思う所に合わせるのは容易ではありません。

そこで、「Flow」。「Flow」を使うと、このUIを画面の外に持ち出して、手の感覚で直接回転させることができるのです。まさに「直感的」。「Flow」は写真のように極めてシンプルなデザインですが、直感的な操作は「回転」だけではありません。他に、表面への「タッチ」、表面での「ジェスチャー」、表面からの「距離」など、さまざまなインプットをすることが可能です。このビデオを見てください。

重要なポイントは、このデバイスが「プログラマブル」であるということです。つまり、「Flow」は様々なアプリケーションや用途に応じて、手の動きとコンピュータの操作の関連性をプログラムできます。現時点では、まだPCやスマートデバイスの制御が主な用途となりますが、IoTがもっと普及してくれば、様々なIoTをシンプルに操作するUIにもなり得るのです。

コンピュータが、テキストのみの時代からグラフィックを駆使できるようになってGUI (Graphical User Interface)が産まれました。これから、IoTの普及によって様々な場所で様々なデバイスを駆使できるようになると、画面が無くても操作が可能なUUI (Ubiquitas User Interface)が産まれるでしょう。

Flowは、単に既存のGUIソフトウェアを使い易くするのではなく、そんな近未来のUUIを具現化した入力デバイスなのです。

ところで、世界のイノベーターたちに人気の「Flow」ですが、日本からの応募はまだ少ないようです。IoTに興味のある方は、こちらからぜひ一つ手に入れてみてください。

※最短で入手できる「Developer Edition」は既に売り切れです。