月別アーカイブ: 2016年3月

雄たけびあげて輝こう!新生MIJSへ

今日、3月31日をもって、2014年4月から2年間勤めたMIJS (Made In Japan Software & Services)コンソーシアムの理事長の任期終了となります。

「日本発のソフトウェアを世界へ!」という目標を掲げて、2006年から活動を続けているMIJSは、いよいよ設立から10年の節目を迎えました。この節目に、歴代最年少となる新理事長を迎え、MIJSは大きく生まれ変わろうとしています。

理事長を引き継ぐのは、株式会社WEIC代表取締役社長の内山雄輝さん。新進気鋭の内山さんのリーダーシップのもと、新たなビジョン「日本を変革するテックイノベーションを実現する」ことを目指す団体に生まれ変わります。

日本において技術的イノベーションが起きにくい理由はいくつも挙げられていますが、MIJSの理事会では以下のようなことを議論しました。

  • 高リスクのスタートアップに資金提供する金融システムがほとんど存在しないこと
  • 多様で質が高く、流動性の高い人材を供給する労働市場がないこと
  • 革新的なアイディアや製品、ビジネスを絶え間なく創出する産学官の共同体制が弱いこと
  • 既存の大企業と小規模スタートアップがともに成長する産業構造が確立されていないこと

このようなことは、1社だけで解決できることは少なく、同じ志を持ち、価値ある活動の実績と高い機動性を持つMIJSという団体だからこそできることが多々あります。その試みの一つとして、スタートアップ企業も含めた「MIJS Japan Tech Valley」も開始する予定です。そして、これまで4つの委員会で構成してきた委員会活動内容もリニューアルして、日本のソフトウェア業界でイノベーションを起こすことを目指します。

と、現理事長として紹介してみるものの、やはり新しいことは、新しい理事長に語ってもらうのが一番です。そのために、新しいビジョンと新しい活動を新理事長が自ら説明する「MIJS Japan Tech Valley Summit」を、来る4月4日に開催しますので、興味のある方は、ぜひご参加ください。

詳細・参加申込はこちら
https://www.mijs.jp/archives/4467

これからのミャンマーに注目

先日、ミャンマーを訪問してきました。ミャンマーという国はブログの読者の中でも行ったことのある人は少ないのではないかと思います。1991年までは、ビルマという国名だったので、こちらの方が馴染みが深い方もいらっしゃるかもしれません。

さて、シンガポールから飛行機で約3時間。2006年までミャンマーの首都であった都市ヤンゴンに降り立ちました。ヤンゴンは、首都では無くなった今でも400万人を超える人々が住むミャンマー最大の都市です。

ヤンゴンの市内で、まず目立つのが日本車です。走っている車は、トヨタが半数程度に加えて、ホンダ、マツダ、日産などがほとんど。私が見た感じで走っている車のざっくり9割が日本車です。しかも、そのほとんどが日本から輸出された中古車なので、道路が右側通行にもかかわらず右ハンドル。そして、さらに驚くのが路線バスです。バスも日本からの中古車が多いので、昇降のドアが歩道とは反対側についているのです!もちろん車道側から乗るのではなく、歩道側に四角い穴が1つ開けてあって、そこから乗り降りするのです。

国内最大の都市でもそういう状況のミャンマーですから、社会インフラはまだ発展途上です。証券取引所がいよいよ今月下旬に稼働を始め、銀行も都市部だけで企業と富裕層のみを対象としているなど、金融インフラも一般の人々には行き渡っていません。

そのような環境の中、一般の人々の経済活動を支え新たな活気を与えているのがマイクロファイナンスです。マイクロファイナンスとはその名の通り、少額融資のことで、発展途上国において一般の人たちの経済活動を支援するしくみとして脚光を浴びています。

先日、インフォテリアはミャンマー最大のマイクロファイナンス機関である、BC Finance社とブロックチェーンの実証実験に関しての合意を発表しました。そこで、ヤンゴンにあるBC Financeの本店と、郊外にある支店を視察しました。写真にもあるとおり、貸出しおよび返済業務はまだ個別(スタンドアローン)PCに記録しモバイルネットワークを使って送る仕組みです。

発展途上国で少額とは言えお金を貸すということは、ある程度の事故(貸し倒れや遅延)があると思われがちですが、BC FinanceのCEOのJeremy Klosier-Jones氏によると業務を始めてからいままでに1件も貸し倒れも遅延もないということにもミャンマーの農村部の人々が大変真面目でという面があらわれているということ。

ミャンマーは、この4月から政権が代わり、アメリカなど欧米諸国の制裁も緩和されることが期待されています。そうなると欧米からの投資も増え、真面目な国民性も奏功して、経済が発展していくと推測されています。未開の地であるからこそ、現システムのしがらみがなく、一足飛びに社会インフラが整備されていく可能性が高いです。これからのミャンマーに注目です。