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雨上がりの夜空に、熊本を想う

先週末、5月13日(土)、14日(日)、東京の日比谷公園で、熊本復興支援のための熊本県産品や寄付商品のチャリティー販売を行いました。結果として、この2日間だけで100万円を超える売上を上げることができ、全額が熊本の生産者(被災農家、被災メーカー)の仕入れと、熊本復興のための募金に提供できることとなりました。

熊本地震から1年を超え、今では「1周年」などの節目でしか熊本地震のことは話題に昇りません。私も、まさに1周年となる4月15〜16日に、熊本をこの目で確かめたくて熊本入りしました。1年を経て、復旧した道も建物も、営業を再開している店も多くあり、街の人々も元気でしたが、熊本城、阿蘇大橋、阿蘇神社などは、まだまだ地震の爪痕を大きく残し(写真)、復旧には何年もの時間がかかります。また地元中小企業の二重債務の話を聞くとまだまだ復興にはまだ長い長い道のりがあるのだと実感させられました。


地元の知人、友人に1年の節目なので来熊したと伝えると、「外の人はそぎゃんして節目ん時だけ気にするばってん、こっちはまだ毎日が闘いだけんね。」(外部の人は、そうやって節目の時にだけ気にしてくれるけど、私たちは毎日が闘いなんです)と複数の人から言われました。この言葉は私も当事者の一人と思っていたわたしにもグサリと刺さりました。この言葉を聞いて、「節目だから何かする」のではなく、いつでも出来るときに出来る限りを意識して行きたいとの思いを強くしました。

その思いをつないで実施した日比谷公園での2日間の活動のうち、実は1日目は開始から終了までずっと雨が降っていました。客足も伸びず、売上も全然増えません。結果、1日の目標に遠く及ばない売上となりました。雨の中、ポンチョを着てもずぶ濡れとなって皆で頑張ってもこの結果でした。夜になって雨が上がり、なぜ今日の昼間だけ雨なのかと、恨めしく夜空を見上げました。

この空の先にいる熊本の人たちを想い、残り1日の限られた時間でも最高の結果を出そうと誓い、明日こそは雨が降らないようにと祈りました。祈りが通じたのかどうか、翌日は雨の降ることはなく、大きく挽回して冒頭の結果を打ち出すことができました。

熊本の復興のためには、まだまだ継続的な支援が必要です。今回の復興支援活動を主催した「熊本弁ネイティブの会」では、「でくっこつば、でくっしこ」(一人一人が、出来ることを、出来るだけ、無理せずに)を合い言葉にこれからもずっと復興支援を続けていきます。

今日、このブログを読んでいただいた貴方も、少しでも良いので熊本の復興を応援していただければ幸いです。最後に、私が支援している復興プロジェクトを紹介しておきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

あれから3ヶ月が経ちました

今日で、熊本地震の発生から3ヶ月。

これまでに、数多くの方々から私の故郷熊本に対して、多くの方々からお見舞いやご支援をいただきました。私は、熊本を代表する立場ではありませんが、この3ヶ月間、私自身も数多くの善意に触れてきましたので、改めてこの場を借りて御礼を申し上げます。誠にありがとうございます。

今日(7月14日)だけはちょうど節目の日ということで、さまざまなメディアで熊本地震の報道がなされていますが、最近は熊本地震の報道はめっきり少なくなりました。しかし、報道が減るのと同じように、避難所生活の人々や、稼働できない企業が減っているわけではありません。故郷熊本では、いまだに5,000人以上の人々が避難所生活を強いられ、いまだに稼働できない中小企業が数多く残っています。

そんな中、今日はBS11の経済番組である「財部誠一の異見拝察」という番組の収録を行わせていただきました。通常は、個々の企業活動にスポットを当てた番組ですが、熊本における被災した中小企業にスポットを当てていただき、私が会長を務める熊本弁ネイティブの会で実施し、インフォテリアでも協力した、復旧・復興支援活動とその後の状況を語らせていただきました。(放送は、BS11:7月25日(月)23:00〜23:30)

その支援活動は、以前もこのブログで一部紹介した、日比谷公園や代々木公園のイベントでの物販です。収録にあたり、その時に私が販売品を買い付けに伺った中小企業の方々に3ヶ月経った状況をお伺いしましたが、お話しができた全ての企業で、まだ復興は緒についたばかりであるという状況で、熊本外からの支援を長く継続していかなければならないと痛感しています。

目に見える土建物や建物などは目に見えて修復が進んできていますが、被災した中小企業の経営はさらに悪化しているところも少なくなく、また被災地の方々の心のケアもより必要な状況となっています。一人一人ができることは小さいですが、皆で力を合わせれば、大きな力となることは、先日のイベントでも証明済みですので、これからも微力であろうが、支援を続けていきたいと考えています。

ぜひ、熊本外の方にも、継続的な応援・支援をいただきたく何卒よろしくお願いいたします。

熊本地震復興支援イベントの舞台裏

5月14日(土)〜15日(日)の2日間、日比谷公園で熊本地震からの復旧・復興を支援するための「熊本の森と緑を応援しよう!」というイベントを行いました。その内容は、熊本地震復興支援のための募金と、被災された生産者、生産メーカーの方々の物品の即売会です。

このイベントは、「熊本弁ネイティブの会」という熊本のお国言葉「熊本弁」をこよなく愛する会の有志が急遽集まって開催したものですが、NHKや毎日新聞などマスコミ各社に取り上げていただいたこともあって、多くの方に足を運んでいただきました。ご来場そして募金や県産品を購入していただいた方々に厚く御礼申し上げます。

「熊本弁ネイティブの会」とはその名の通り、熊本弁をネイティブ言語とする熊本生まれや熊本育ちの人達の集まりです。私がこの会を作ったのは2012年。県人会に行っても、同窓会に行っても、東京では皆さん標準語でしか話さないことを疑問に思いFacebookで立ち上げた会です。いまや会員は850名超。このグループ内では、標準語を喋ると罰ゲームというルールもあります(笑)。

この故郷愛に溢れる「熊本弁ネイティブの会」のメンバーに、今回のイベントを「やるばい!」と呼びかけたのが、5月1日。呼びかけに応じて、すぐに30人を超えるメンバーが当日のスタッフとして手を挙げ、最終的には50人を超えるまでになりました。一方で、被災生産者や被災メーカーのものも売ろうということで募集をしましたが、被災の慌ただしい中でメッセージが届くのも難しくなかなか品物が集まりませんでした。

そこで、私はシンガポールから帰国した直後の7日〜8日に熊本に帰り、被災生産者や被災メーカーの物品の買い付けに走りました。東京からの投げかけでは限界がありましたが、現地に入ると協力者も多く、最終的には50品目ほどの販売品を揃えることができました。

今回のイベントで販売させていただいた方々を紹介しましょう。

<瑞鷹>
熊本で造られている日本酒です。大正時代から続く酒蔵は大きな被害を受けました。特に仕込みの大きな酒樽(直径3m以上。高さ5m以上)が倒れ、当面は酒の出荷ができません。設備も、レンガ造りの煙突は今も余震のたびに崩れてきています。現時点では、生産再開のめどはたっていません。

<浜田醤油>
160年続く浜田醤油の醤油蔵は熊本県から文化財指定を受けていましたが、この地震で大きな亀裂がはいり、雨漏りするようになってしまいました。木造の造りがしっかりしていたことから、製造ラインに大きな損傷はなかったものの、従業員の家屋に被害の大きなところがあり、通常時の5割の生産しかできていません。

<桂花ラーメン>
桂花ラーメンは、熊本で最初に東京に進出した熊本ラーメンです。今回、工場と直営店が被害を受け、商品の一部が製造不能になり、また直営店もしばらくは2店舗閉店を余儀なくされました。

<フンドーダイ>
熊本では有名な味噌のメーカー。西原村にある工場が大きく損傷し、ラインの稼働は半分ほど。また、従業員の被災も多く、当面は復旧作業を日々続けています。

<トマト、イチゴ、ほうれん草などの生産者>
畑は被災を免れたものの、JAに所属せず地産地消で地元のスーパーやレストランに出荷されていた農家の多くは、スーパーやレストランの閉店により需要が激減していますが、農作物は待ってくれません。今回、そのような農家の皆さんの物品を東京で販売しました。

いま、銀座にある熊本県産品のショップ「銀座熊本館」では連日行列ができる状況とのことですが、ぜひ、スーパーやネット熊本県産品を見かけたら応援をよろしくお願いします。

このイベントでは、募金、物販に加えて、熊本弁ネイティブの会のメンバーのミュージシャンも熊本応援の歌を歌いました。14日は、タイチジャングルが南熊本に住む母親を歌った「待っとるけん」、15日は、山作戦が「あかねさす」を歌いました。

熊本地震から1ヶ月が経過し、少しづつ復旧のニュースも報道されはじめました。しかし、まだまだ通常の状態に戻るにはかなりの時間がかかりそうです。5月14日現在で避難所で過ごしている人はまだ1万人以上。熊本で一番大きなデパート「鶴屋」は1ヶ月間開けることができず、今も一部だけで営業しています。熊本で一番大きなホテル「キャッスル」は、1ヶ月を過ぎた今も宿泊営業することができず、再開のめどさえ立っていません。多くの企業が経済活動を再開できず、働く人の不安も大きくなる一方です。

今回のイベントでの収益は、全体で200万円を超える大きな成果となりましたが、全体の復旧・復興にかかる金額に比べると微々たるものです。しかし、それでも、小さなことの積み重ねは大きな力になります。今回のイベントも、一人一人は売り子になったり、募金を呼びかけたり、個人個人ができる小さなことをやっただけですが、力をあわせることで大きな成果を上げることができました。

小さなことであっても、多くの皆様のご支援、応援は本当に励みになります。大きな力になります。小さなことでも構いません。これからも末長いご支援と応援をお願いいたします。