月別アーカイブ: 2014年10月

ハローウィンとは、何の祭り?

今日はハローウィン。先週末あたりからFacebookの私のタイムラインでは、子供のハローウィンパーティーの話題が急増していて、日本でもハローウィンが普及してきていることがわかります。

一方で、私の周りの大人に、子供の時にハローウィンパーティーをしたことがあるかと訊いたところ、経験者は皆無。私自身も、ハローウィンを知ったのは英語の教科書の中で、ずっと異国の地の風習だという感覚でした(笑)。しかし、子供のハローウィンをしたことがあるという人は話を訊いた20名中で14人も。ここ最近でかなり身近な季節のイベントになってきているのです。

意外と面白いのは、ハローウィンをキリスト教の行事だと思っている人が多いこと。ハローウィンが欧米から来たものだからでしょうか?ハローウィンは、もともとはケルト人の収穫祭に由来し、カボチャの元来「蕪(カブ)」で、アメリカに渡ってからカボチャになったもの。かくいう私も数年前に知ったばかりですが(笑)

さて、ハローウィンといえば、子供の仮装ですが、最近では、季節のイベントとして、子供だけではなく大人もこぞって仮装をして練り歩くというスタイルも多いようです。写真は、私の友人夫妻が主催している、あるハローウィンパーティーの1コマ。最初はマンション内の小さなイベントだったのが、毎年参加者が増え、今年は200人超える規模に規模になったそうです。

さらには、子供関係無しに大人だけで行うハローウィンパーティーも急増。ここまで来ると本当に楽しむためのネタでしかない感じですが(笑)。私も今日の夜は2つのハローウィンパーティに誘われたのですが、残念ながら今朝シンガポールに着いたところで、参加できません。楽しいイベントはとても好きなので、掛け持ちででも参加したいところなのですが(笑)。

こういったイベントが、本来の意味も由来も知らず、形だけ広がっていくことを懸念する声もあるようですが、世の文化も慣習も時代とともに変わっていくもの。私は、他の文化のものを取り入れて、目くじらを立てず大いに楽しめばよいと考えています。

ネットが普及し、ソーシャルを普通に使われるようになって、人のつながりのバーチャル化が進む中、こういったリアルなつながりのイベントを求める傾向はこれからもより高まっていくのではないでしょうか。

Japan IT Day in Singapore 開催

MIJSコンソーシアムが主催する「Japan IT Day in Singapore」が先週無事終了しました。

このイベントは、日本のソフトウェアプロダクトをシンガポールの日系法人や現地法人の方々にもっと知っていただき、会員企業の東南アジア進出の足がかりとすることを狙ったものです。イベントの中心としてセミナーを据え、会員企業の製品展示も併設するという形で実施しました。今回がシンガポールで初めての開催となりましたが、シンガポール政府EDB(Economic Development Board = 経済開発庁)のサポートもいただき、写真の通り盛況のうちに終了しました。

来賓代表として特別講演を行っていただいたのが、EDBのCorporate Planning局長Clerance Chua氏(写真)。講演は最初から最後まで全編日本語、しかも極めて流暢に話されて大変驚きました。なぜ、そんなに日本語が上手いのかと聞いたら東京大学卒業とのこと。氏のお話は、シンガポールでビジネスをすることの優位性。実際、ソフトウェア業界では、日本を含むアジア全体の本部(Head Quarters)をシンガポールに置く事は常識となっていることからもわかりますが、政府がIT企業と頭脳の誘致に特に力を入れていることを再認識しました。

私はMIJSの理事長として、Chua氏に続いて挨拶を行わせていただきました。お話したことは、私が感じている、アジア経済の中心としてのシンガポールの勢い、ポジション、さらにハイテク産業に関する政府政策の熱意、そして、MIJSの狙いが、日本のソフトウェアベンダーから世界に羽ばたく企業を輩出することです。そして、インフォテリア自身もその第1号になることを強く意識し、シンガポール現地法人の正式稼働前ではありますが、日本のマーケティングチームのヘルプを得ながら展示も行いました(写真)。

今企業向けソフトウェアは、圧倒的な輸入超過の状況にありますが、日本のソフトウェアが世界市場で役立つ日、つまりソフトウェアが輸出産業になる日が必ず来ると確信しています。ソフトウェアは、かつて輸入から輸出に転じた家電や車よりもさらに日本の環境に合った産業材です。なぜならば、家電や車と違い、他国からの原材料の輸入を必要としないからです。資源も国土も少ない日本が自ら産み出すことの出来る数少ない産業として、日本国政府としても国策として重点的に力を入れて欲しいとあらためて強く感じたイベントでした。

政府を動かしたパブリックコメント

パブリックコメントが政府を動かしました。

先日このブログでも紹介した「適格機関投資家等特例業務の見直しに係る政令・内閣府令案」に対して私も異議ありのパブリックコメントをした件ですが、この政令・内閣府令は結果的に閣議決定寸前まで行って、取り下げとなりました(問題の詳細は以前のエントリを参照)。私がパブリックコメントをブログでも紹介した後には、「どうせ、パブリックコメントしても形式的なものだから変わりっこない」という主旨の意見も複数いただきました。しかし結果は変わったのです。関係者によると閣議決定寸前で政令・内閣府令が取り下げとなるのは異例とのことですが、今回はパブリックコメントとそれに端を発する活動で、政府の施策を動かすことができたのです。

パブリックコメントが噴出したため、施行予定日の8月1日を過ぎたあとも、この内閣府令の内容は調整が続いていました。私も、先月のStartup Asia Tokyoのパネルディスカッション(写真)で経済産業省の石井芳明氏に噛み付いたりしましたが、結果として今回の臨時国会の前に、この内閣府令案は取り下げとなり、元々の問題である未公開企業への出資にからむ詐欺に関しては別途引き続き対策を検討していくこととなったそうです。

このように、まだ完全決着ではないので、油断はできませんが、独立系ベンチャーキャピタルの存在が危うくなるような事態を回避できた意味は小さくありません。今回は、パブリックコメントに端を発して、NTVPの村口和孝氏、フェムトの磯崎氏、インキュベイトファンドの赤浦徹氏、サムライインキュベートの榊原健太郎氏、モビーダジャパンの孫泰蔵氏など、多くのベンチャーキャピタリストの方々、そしてベンチャー企業やベンチャーキャピタルに詳しい政治家の方々もこの内閣府案の阻止に向けて活動をしていただいたおかげであり、皆様の活動に敬意を表します。

いまの日本では「どうせ病」が蔓延しています。

「どうせ、政府に言っても変わらない」
「どうせ、選挙に行っても変わらない」
「どうせ、私がやっても変わらない」。

そうでしょうか?

今回の件では、明らかに活動が結果を変えました。社会は、常に変化しています。そして、それは自然に変わっているのでもなく、神様が変えているのでもなく、誰かが変えているのです。私もあなたも、その一人になってはいけないとは誰も決めていません。

私は、一人一人が「どうせ」を削除していくことで、社会を変えていく事ができると確信しています。ぜひ、あなたも。