日別アーカイブ: 2014年10月2日

政府を動かしたパブリックコメント

パブリックコメントが政府を動かしました。

先日このブログでも紹介した「適格機関投資家等特例業務の見直しに係る政令・内閣府令案」に対して私も異議ありのパブリックコメントをした件ですが、この政令・内閣府令は結果的に閣議決定寸前まで行って、取り下げとなりました(問題の詳細は以前のエントリを参照)。私がパブリックコメントをブログでも紹介した後には、「どうせ、パブリックコメントしても形式的なものだから変わりっこない」という主旨の意見も複数いただきました。しかし結果は変わったのです。関係者によると閣議決定寸前で政令・内閣府令が取り下げとなるのは異例とのことですが、今回はパブリックコメントとそれに端を発する活動で、政府の施策を動かすことができたのです。

パブリックコメントが噴出したため、施行予定日の8月1日を過ぎたあとも、この内閣府令の内容は調整が続いていました。私も、先月のStartup Asia Tokyoのパネルディスカッション(写真)で経済産業省の石井芳明氏に噛み付いたりしましたが、結果として今回の臨時国会の前に、この内閣府令案は取り下げとなり、元々の問題である未公開企業への出資にからむ詐欺に関しては別途引き続き対策を検討していくこととなったそうです。

このように、まだ完全決着ではないので、油断はできませんが、独立系ベンチャーキャピタルの存在が危うくなるような事態を回避できた意味は小さくありません。今回は、パブリックコメントに端を発して、NTVPの村口和孝氏、フェムトの磯崎氏、インキュベイトファンドの赤浦徹氏、サムライインキュベートの榊原健太郎氏、モビーダジャパンの孫泰蔵氏など、多くのベンチャーキャピタリストの方々、そしてベンチャー企業やベンチャーキャピタルに詳しい政治家の方々もこの内閣府案の阻止に向けて活動をしていただいたおかげであり、皆様の活動に敬意を表します。

いまの日本では「どうせ病」が蔓延しています。

「どうせ、政府に言っても変わらない」
「どうせ、選挙に行っても変わらない」
「どうせ、私がやっても変わらない」。

そうでしょうか?

今回の件では、明らかに活動が結果を変えました。社会は、常に変化しています。そして、それは自然に変わっているのでもなく、神様が変えているのでもなく、誰かが変えているのです。私もあなたも、その一人になってはいけないとは誰も決めていません。

私は、一人一人が「どうせ」を削除していくことで、社会を変えていく事ができると確信しています。ぜひ、あなたも。