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Commonwealth Business Forumに参加

今週、英国ロンドンでCommonwealth Business Forumが開催され、参加しました。日本ではCommonwealthとは何かを知っている人はどのくらいいるのでしょうか?または、知っていても昔の「大英帝国」と理解している人もいるのではないでしょうか?

現在のCommonwealthは、1949年にロンドン宣言によって発足したもので正確にはCommonwealth of Nationsの略です。メンバーは、元英国植民地が多いのですが、植民地時代のCommonwealth(大英帝国)とは違って、メンバー各国が「Free and Equal」であることを旨としています。

今回のCommonwealth Business Forumは、約20年ぶりに開かれるものですが、背景にあるのはBrexitです。EU離脱後の英国のポジションとして、Commonwealth経済圏を活用して、世界の中で重要なポジションを獲得しようとの動きであり、日本ではあまり報道されていませんが、世界経済の今後を考える上では重要なポイントの一つとなります。

日本は、Commonwealthのメンバーではないので、基本的にこのフォーラムには招待されていないのですが、私は幸運にも今回シンガポールの枠をいただくことができ、参加することができました。

フォーラムは、ヘンリー王子の挨拶とメイ首相のスピーチから始まりました。メイ首相はいつもの自信に満ちた口調でCommonwealth経済圏の可能性とその方向性について語られ、特にCommonwealth経済圏内の貿易とダイバーシティについて時間が割かれたのが印象的でした。

英国では、未だにEU離脱賛成派と反対派のせめぎ合いが続いていますが、雇用統計や観光統計などは過去最高となり、ハイテク企業もさらに投資を積極化しています。例えばAmazonもロンドンに新たに3棟の巨大なビルを建設し、さらに5,000人の社員を増やす計画を発表しており、これはヨーロッパ最大の拠点となります。このように、東京にいては、そして報道だけでは、わからない活気がここにはあります。

国内では、Brexit後の英国について悲観的な論調が多いですが、私は肌感覚として、今後の英国は輝きを増すと感じています。EUの護送船団方式は、20世紀は良かったかもしれませんが、いまや変化の速い21世紀にはネガティブな要因が増えていると考えるからです。EUではその精神から、各国の違いを活かした政策を採りにくく、また各種政策の決定にも多くの時間を費やし、その実行にはさらに時間がかかっているからです。

ロンドンThis Placeオフィスにて。