5月14日(土)〜15日(日)の2日間、日比谷公園で熊本地震からの復旧・復興を支援するための「熊本の森と緑を応援しよう!」というイベントを行いました。その内容は、熊本地震復興支援のための募金と、被災された生産者、生産メーカーの方々の物品の即売会です。
このイベントは、「熊本弁ネイティブの会」という熊本のお国言葉「熊本弁」をこよなく愛する会の有志が急遽集まって開催したものですが、NHKや毎日新聞などマスコミ各社に取り上げていただいたこともあって、多くの方に足を運んでいただきました。ご来場そして募金や県産品を購入していただいた方々に厚く御礼申し上げます。
「熊本弁ネイティブの会」とはその名の通り、熊本弁をネイティブ言語とする熊本生まれや熊本育ちの人達の集まりです。私がこの会を作ったのは2012年。県人会に行っても、同窓会に行っても、東京では皆さん標準語でしか話さないことを疑問に思いFacebookで立ち上げた会です。いまや会員は850名超。このグループ内では、標準語を喋ると罰ゲームというルールもあります(笑)。
この故郷愛に溢れる「熊本弁ネイティブの会」のメンバーに、今回のイベントを「やるばい!」と呼びかけたのが、5月1日。呼びかけに応じて、すぐに30人を超えるメンバーが当日のスタッフとして手を挙げ、最終的には50人を超えるまでになりました。一方で、被災生産者や被災メーカーのものも売ろうということで募集をしましたが、被災の慌ただしい中でメッセージが届くのも難しくなかなか品物が集まりませんでした。
そこで、私はシンガポールから帰国した直後の7日〜8日に熊本に帰り、被災生産者や被災メーカーの物品の買い付けに走りました。東京からの投げかけでは限界がありましたが、現地に入ると協力者も多く、最終的には50品目ほどの販売品を揃えることができました。
今回のイベントで販売させていただいた方々を紹介しましょう。
<瑞鷹>
熊本で造られている日本酒です。大正時代から続く酒蔵は大きな被害を受けました。特に仕込みの大きな酒樽(直径3m以上。高さ5m以上)が倒れ、当面は酒の出荷ができません。設備も、レンガ造りの煙突は今も余震のたびに崩れてきています。現時点では、生産再開のめどはたっていません。
<浜田醤油>
160年続く浜田醤油の醤油蔵は熊本県から文化財指定を受けていましたが、この地震で大きな亀裂がはいり、雨漏りするようになってしまいました。木造の造りがしっかりしていたことから、製造ラインに大きな損傷はなかったものの、従業員の家屋に被害の大きなところがあり、通常時の5割の生産しかできていません。
<桂花ラーメン>
桂花ラーメンは、熊本で最初に東京に進出した熊本ラーメンです。今回、工場と直営店が被害を受け、商品の一部が製造不能になり、また直営店もしばらくは2店舗閉店を余儀なくされました。
<フンドーダイ>
熊本では有名な味噌のメーカー。西原村にある工場が大きく損傷し、ラインの稼働は半分ほど。また、従業員の被災も多く、当面は復旧作業を日々続けています。
<トマト、イチゴ、ほうれん草などの生産者>
畑は被災を免れたものの、JAに所属せず地産地消で地元のスーパーやレストランに出荷されていた農家の多くは、スーパーやレストランの閉店により需要が激減していますが、農作物は待ってくれません。今回、そのような農家の皆さんの物品を東京で販売しました。
いま、銀座にある熊本県産品のショップ「銀座熊本館」では連日行列ができる状況とのことですが、ぜひ、スーパーやネット熊本県産品を見かけたら応援をよろしくお願いします。
このイベントでは、募金、物販に加えて、熊本弁ネイティブの会のメンバーのミュージシャンも熊本応援の歌を歌いました。14日は、タイチジャングルが南熊本に住む母親を歌った「待っとるけん」、15日は、山作戦が「あかねさす」を歌いました。
熊本地震から1ヶ月が経過し、少しづつ復旧のニュースも報道されはじめました。しかし、まだまだ通常の状態に戻るにはかなりの時間がかかりそうです。5月14日現在で避難所で過ごしている人はまだ1万人以上。熊本で一番大きなデパート「鶴屋」は1ヶ月間開けることができず、今も一部だけで営業しています。熊本で一番大きなホテル「キャッスル」は、1ヶ月を過ぎた今も宿泊営業することができず、再開のめどさえ立っていません。多くの企業が経済活動を再開できず、働く人の不安も大きくなる一方です。
今回のイベントでの収益は、全体で200万円を超える大きな成果となりましたが、全体の復旧・復興にかかる金額に比べると微々たるものです。しかし、それでも、小さなことの積み重ねは大きな力になります。今回のイベントも、一人一人は売り子になったり、募金を呼びかけたり、個人個人ができる小さなことをやっただけですが、力をあわせることで大きな成果を上げることができました。
小さなことであっても、多くの皆様のご支援、応援は本当に励みになります。大きな力になります。小さなことでも構いません。これからも末長いご支援と応援をお願いいたします。