米Extentech社の買収にあたり

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 昨日、米Extentech社の買収を発表しました。Extentechは、カリフォルニア州サンフランシスコ市にあるソフトウェア開発ベンチャー企業です。インフォテリアでは、以前から同社の技術をASTERIAの一部に使い、技術的な確からしさも、経営陣の価値観や熱意もわかっています。


 Extentechの買収は、単にExtentechのソフトウェア製品をインフォテリアグループのポートフォリオに加える以上に、彼らの持つ顧客、技術力、マーケティング力をもって英語圏にインフォテリア製品の展開を図るための拠点を獲得したという意味を持ちます。

 M&Aにおいて、私は、前職時代に買う側も買われる側も経験しました。

 インフォテリアを始める前に私が勤めていた米Lotus社は、Windows製品で出遅れたので、Windows製品開発のベンチャーを次々と買収しました。当時のWindows版製品は、「1-2-3」と「Notes」以外は買収した会社が開発した製品でした。ワープロはアトランタのベンチャー企業。データベースと電子メールは米シリコンバレーのベンチャー企業。プレゼンテーションは元々ボストン近郊のベンチャー企業の製品で、私は頻繁にそれらの拠点に行きましたが、買収後に組織やビジョンが統合された後も、それぞれのチームのカルチャーを保ち、楽しくモティべーション高く仕事をしていたのが印象的でした。

 その後、LotusはIBMに買収されました。IBMは、買収後もLotusのカルチャーを大切にし、私たちの仕事をリスペクトしてもらったので、私たちは余計なことに煩わされず仕事に集中することができました。もし、そうでなかったら私はすぐにロータスを辞めていたに違いありません。

 世の中には、さまざまなM&Aがあります。「欲しいのは製品と顧客だけだ」とばかりに買収後に極端なレイオフをしたり、競合製品を潰すために買収したりなど。それぞれ各社の考えですから良し悪しは論じませんが、私は、自分の経験から、ソフトウェア開発業において成功するM&Aの秘訣は人にありと考えています。新たにチームの一員となる人達がいかに幸せにモティべーション高く仕事をし続けられるか。買収側だからといって様々なことを一方的に押しつけるのではなく、価値観やカルチャーをリスペクトすることで、だれもが仕事に集中でき、気持ちの融合を促進し、M&Aの成果を早く出すことができると信じています。

 今回の企業買収はインフォテリアとして初めての経験であり、合意にこぎつけるまでには様々なチャレンジがありました。しかし、新しいチームメンバーを迎え、買収によって狙う大きな成長に向けてのチャレンジはこれから始まるのです。


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