なぜ中国の子会社を杭州に設立したのか?


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 昨日(3月7日)、中国浙江省杭州市100%子会社を設立したことを発表しました。この子会社は、全世界に向けた製品の研究開発、および中国語圏に向けた技術サポートを行うことを目的に設立したものです。

 口頭で「中国の杭州(こうしゅう)」というと、「広州」をイメージされる方が多いので訓読みで「クイシュウ」とか、現地読みで「ハンジョウ」と言うことが多いです。さて、発表後に何人からも聞かれたのが「なぜ杭州なんですか?」ということ。「なぜ、最初の中国子会社が北京とか上海とか大連などのメジャーな都市でなく杭州なんですか?」という意味です。


 いくつもの理由がありますが、最大のポイントは、人材です。

 今回の子会社は、研究開発、技術サポートを行う拠点ですので、優秀な技術者を確保できることが最重要となります。北京、上海、大連などは日系企業も多く、日本語を喋る人も多いのですが、私たちの狙いは日本向けの仕事ではなく、日本を含む世界向けの仕事です。従来のオフショア開発を狙っているわけではないので、北京、上海、大連の必要はありません。さらに、そのような都市は、日本企業同士の人材獲得競争が激しくなっています。

 そこで、北京、上海、大連等のIT企業としてメジャーな都市を避け、かつ優秀な人材を確保できる場所ということで杭州に目をつけたわけです。杭州には浙江大学という中国でも有数の大学があり、コンピュータサイエンスの教育も充実しており優秀な卒業生を多数輩出しています。

 これまで約4年間、何度も行き来して、協力会社での実際の仕事を通じて、杭州での経験を積んできた結果、いろいろとリスクが多いと言われる中国での展開について、技術センターとしては杭州での設立が最適だと決心しました。

 また、杭州は交通の便も十分です。日本からも毎日直行便が出ていますし、上海から、新幹線で約1時間、車で約2時間なので、上海もアクセスポイントになります。

 杭州自慢をしすぎて人材獲得の競合を増やしたくはないのですが(笑)、さらに付け加えると、杭州の真ん中に西湖という広い湖があって緑も多いですし、岡田武史前日本代表監督が率いる杭州をホームとするサッカースーパーリーグのチーム名は「杭州緑城」です。緑の城ですよ(笑)。

 最近は上海に行く人も多いと思いますが、機会があれば杭州まで足を延ばしてみてはいかがでしょうか?


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