ギャル流行語大賞発表に思う言葉の価値

Alphabet Blocks
 今週、「ギャル流行語大賞」なるものが発表されて巷で話題を呼んでいます。私も眺めて見ましたが、残念ながら1つも知りませんでした。
 「テンアゲ」、「パティーン」、「とりあ」などなど、全然意味がわかりません(笑)。解説によると、それぞれ「テンションが上がっている」、「パターン」、「とりあえず、まあ」という意味だそうです。「ちゃんとした日本語があるのだから」という声も耳にしますが、そこには「ちゃんとした日本語」で置き換えられないニュアンスがあるのだろうと私は感じます。


 先日、「熊本弁ネイティブの会」に参加しました。この会は、標準語を喋らず熊本弁だけで喋るという会なのですが、ずっと熊本弁を喋っていると、ときどき「はて?これ標準語で何と言うのだろう?」と感じることがあります。実は、これは標準語の訳語を忘れたのではなく、感覚的に標準語では表せないニュアンスがあることが多いのです。
 たとえば、「せからしか」、「つこけた」、「とぜんなか」という熊本弁。それぞれ標準語に訳すると「うるさい」、「落ちた」、「寂しい」ですが、やはり微妙にニュアンスが違います。
 さらにいうと、仲間内だけで通用する言葉を使う快感というものもあります。
 たとえば、「でい」、「ちば」、「ぶんする」という語が何を意味するかわかりますか?これは、それぞれ「今日」、「バンド」、「行く」という意味です。聞いたことないよ?どこの方言?と思われるでしょう。それもそのはず私が中学生の時に友達2人と作った「まぴお語」という言葉です(笑)。3人で作った言葉なのに、何故か周りで真似して使う人が増え、単語数が100程度にまでなり、「まぴお語辞書」を作り、さらには「まぴお語検定」も行いました(笑)。
 これは、まさに仲間言葉の例で、これらの新しい単語は仲間意識を高め、意思疎通(信頼関係)を促進する働きをしていました。
 このように言葉は、単にモノ、コトその意味を伝えるだけではありません。意味が同じだからと言って単純に置き換えられるものでもないのです。「方言」のように古くからある言葉も、「ギャル語」のように新しく生まれてくる言葉も、批判したり、卑下したりせず、「心をつなぐ」価値を認めていきたいのです。


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