業界動向」カテゴリーアーカイブ

It’s hot! in Jakarta

今日、ジャカルタが熱い!

といっても、赤道直下だからというわけではありません(笑)

「Startup Asia Jakarta 2013」という、スタートアップ/起業イベントに参加しています。インドネシアの首都での開催ですが、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、中国、韓国、日本などアジア各国から1,000人以上の起業家、投資家、関係者が集結し、自社サービスのアピールあり、ベンチャーキャピタルとの交渉あり、ハッカソンあり、起業家同士のネットワーキングありと、熱気ムンムンのイベントです。

今回、私もスピーカーの1人として招待され、明日の「Discussion: Exit Strategies for Asian Startups: M&A and IPO」というパネルディスカッションで話します。私を誘ってくれたAnis Uzzamanからは「日本でゼロから始めてIPOした創業者」としての招待とのことでしたが、ゼロから始めてIPOした創業社長は他にもたくさんいます。私の友人だけでも英語を話せる創業社長は何人もいるので、他に適任がいるのではと言ったところ、英語ができても英語でディスカッションというのは辞退する人が多いのだそうです。

もう一つ、このイベントに参加していてあらためて実感することは、東南アジアの国々で若い人達の起業が拡がっていて、新しい事業が次々と興り、また投資家も世界から集まって実際に投資を開始していること。今回は、アジアの投資家だけでなく、アメリカ、ロシア、イギリスの投資家にも会いました。

言語の話にしても、投資の話にしても、やはり日本のスタートアップ界隈が、最近盛り上がってはきているものの、まだ国内に留まっている感覚を強くします。

ジャカルタは、インドネシア語が母国語です。アジア各国にも母国語があります。それでも、こうやって多くの人が集まって共通言語で情報交換をし意見を戦わせている。アジアの外の人達も引き寄せている。どうしても英語との関連性を抜きに語れません。

もっと英語が必要だという話をすると、すぐに「言語はツールで、問題は中身だ」という「正論」が飛び交います。その通りです。しかし、中身があっても言語がネックで行動できていない状況をみるとその正論も空しく響きます。

外国語が上手である必要はありません。でも喋りましょう。ヘタでも飛び込みましょう。行動しない人に「グローバル」という単語を使う資格はない!

そう感じさせる、熱気溢れる会場からの中継でした(笑)

モバイルよ、「幻滅期」を目指せ!

 

先週(10月15日)、ガートナージャパンから「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2013年」が発表されました。

多くの企業、そして特にCIOやマーケターが着目するこのハイプ・サイクルですが、今年は、いよいよ「モバイル・コンピューティング」が、「ピーク期」の頂点となっています。この発表を元に「スマホやタブレットもいよいよ幻滅期に向かいます」というと、「まだまだ伸びますよ!」とか「平野さんの立場でその言い方は止めた方がいいんじゃないですか?」と言われることがあります。

このような場合、「幻滅期」の意味が取り違えられています。ハイプ・サイクルの「幻滅期」というのは、その前の「過度な期待」を現実に近づける期なのです。また、「ピーク期」がそうであるのと同じく、「幻滅期」も市場やユーザーの実態ではなく、主にマスコミやメディアの報道を指しています。

例えば、インフォテリアが、専業技術として始めたXMLという技術も綺麗にこのハイプサイクルを辿って来ました。2000年頃には各種メディアでXMLの特集がなされ、バラ色の将来が書かれていました。これが「ピーク期」です。しかし、2002年頃になると「XMLは万能ではない!」といった論調や、XMLの失敗事例などがあふれました。これが「幻滅期」です。しかし、幻滅期を経て、ようやくXMLは様々なソフトウェアや一般企業でも使われ始め、今や「安定期」へと入っているのです。

このように「幻滅期」には過度な期待が修正され、ネガティブな情報もどんどん出始めると、夢と現実のギャップが埋められます。そして、単に騒がれた段階から広いの普及の段階に繋がる重要な段階なのです。

今年ピーク期の頂点になった「モバイル・コンピューティング」、あとは下っていくだけです(笑)。「過度な期待」のピーク期のままでいるより、早く「幻滅期」に入り、ハイプ・サイクルを駆け抜ける。それが、モバイル・コンピューティングが普及し、タブレットやスマホが普通にビジネスに使われる時代が訪れるということなのです。

クラウドと、未来を創る仕事

「The best way to predict the future is to invent it」(未来を予想する最良の方法はそれを創ることだ)という私の座右の銘でもあるAlan Kayの言葉から始まった、AWS Summit 2013の基調講演。規模は昨年の2倍、基調講演は人寄せの有名人講演があるわけでもないのに椅子に全く空きが無く埋まった人々、まさにクラウド(crowd)です(笑)。日本でのクラウドへの関心、浸透の加速を目の当たりにした気がします。

インフォテリアも2008年からAWSを使っています。2009年にスタートした「Handbook」のStandard Editionは最初からAWS上で稼働しています。2010年出荷の、「ASTERIA WARP 4.5」では、Amazon EC2上でも稼働するようになりました。

あれから数年、クラウドはもう単にハードやネットワークを所有しないというだけでなく、クラウドならではのサービスを提供するステージに来ています。例えば、最新の「ASTERIA WARP 4.7」で対応したAmazon Elastic MapReduce (EMR)では、膨大なデータの分析を必要な時だけスーパーコンピュータに匹敵する処理能力で分析することを可能にします。また、早速「ASTERIA」での対応を表明したAmazon Redshiftでは、圧倒的な低コストでDWHを構築できます。企業アプリケーションの部品(Building Blocks)が次々と提供され始めていて、「ASTERIA」を使って簡単に組み合わせることで、データ中心のアプリケーション開発が出来る未来の端緒が垣間見えます。

講演で、東京海上日動火災保険の理事IT企画部長の稲葉さんは「AWSは金融システムに使える」と断言されました。協和発酵キリンの情報システム部長の篠田さんは「コストダウンだけでなく、システム開発のスピードアップがメリット」と強調されました。こういう生の声を聞くと、「クラウドは本当に大丈夫か?」と言っていたのは、もう過去のことだと実感します。

このように言うと、AWSのステマように取られるかもしれませんが(笑)、私はAWSの宣伝をしたい訳ではなく、まだ二の足を踏まれているユーザー、ベンダーの方々に一日も早く真剣にクラウドに取り組んでいただきたいのです。それは、ベンダーとしてものを売りたいからではなく、コストだけでないクラウドの価値が顕在化してきているからです。もう企業システムのプラットフォームの交代が次々に起こるのは間違いないところまで来ているからです。そして、いわゆる国産クラウドベンダーにもどんどんサービスを強化し頑張っていただきたいのです。「Handbook」も、国産クラウドに載せて提供しているものもありますし、「ASTERIA」はBYOL (Bring Your Own License)の形で、どこのクラウドにも載せて使っていただくことができます。

日本でのクラウド利用もどんどん進み、事例も増えて来て、AWS Summitは大盛況です。しかし、社会全体からみるとまだクラウド採用は少数派。私は、クラウドの適用が企業のアジリティを上げ競争力を高めると確信していますし、実際、東急ハンズの長谷川さんの話も、ミサワホームの宮本さんの話もまさにそれを体現した事例でした。つまり、これから先クラウド化が遅れることは、企業の相対的競争力低下に繋がるのです。私たちインフォテリアも、AWSをはじめとする各社クラウドベンダーと共に「未来を創る」仕事を行うことで、企業の国際競争力を高めていくことが出来ると確信してクラウド対応、サポートを積極的に進めています。

iPadプレゼンをワイヤレスで行うには?

最近、セミナーなどに参加するとiPadでプレゼンをしている人をたまに見かけるようになりました。しかし、ほとんどの人が iPadにVGAコネクタを付けてプレゼンをしています。演壇でプレゼンするような場合は良いですが、Steve Jobsのような歩き回るスタイルだと、立ち位置からケーブルが延びていて見苦しいですね(写真)。しかも、途中でケーブルが抜けてしまうといった事故も起こりがちです。
そこで、最近私はiPad&Handbookでプレゼンする場合は、ワイヤレスでやっています。つまり、iPadからケーブルをつなぎません。講演が終わったあとに「どうやってやっているんですか?」と聞かれることも多く、以外と知られていないようなので、ここで共有しましょう。

スマートデバイス時代の情報システム部門の役割とは?


 昨日(11月20日)、Apple Store Ginzaで「iOSデバイス時代の情報システム部門の役割を考えよう」という講演を行わせていただきました。私たちが、iPhoneしかなかった2009年に企業向けのスマートデバイス用のソフトウェア「Handbook」を提供開始して3年半。数多くの企業の情報システム部門、ユーザー部門の方々に接してきて感じること、考えること、そして企業情報システム部門の方々への提案をお話しさせていただきました。

The Week of タブレット

今週は、23日の「iPad mini」と「iPad第4世代」の発表、そして明日26日は「Windows 8」の発売と、タブレット端末市場で新しい大きな波の起点となる週です。

「iPad mini」は、おおかたの予想通りの内容とはいえ、このサイズを心待ちにしていたユーザーは私の周りでも数多くいます。また、Androidでは導入に踏み切れず「Windows 8」のタブレットを待っている企業ユーザーも多く知っています。つまり、単にベンダー側の発表ということだけでなく、ユーザーにとっても、タブレット端末の新たな大きなうねりが起こり始めるのが今週です。

東ヨーロッパはソフトウェアの梁山泊となるか?

 海外出張中です。今回は、5日間で4都市。パートナーシップを組んでいる会社や新たにパートナーシップを組もうとする会社との打ち合わせです。

 さて、今回の出張で改めて感じたことがあります。それは、日本ではあまり実感がないかもしれませんが、北米では、東ヨーロッパの人がCTOをやったり、開発チームが東ヨーロッパにあるというケースが珍しくなくなりつつあるということです。大会社のオフショアではなく、ごく小さい会社のメインの開発チームとして、新たなサービスをクリエイトする立場で業界の一角をなしてきていると感じます。

今年はビジネススマートフォン元年となるか?

 ゴールデンウィーク直前の去る4月28日、東日本大震災で延期されていたApple社の「iPad 2」がようやく発売になりました。一方、私たちとしては「iPad 2」の国内発売を受けて大々的に開催するつもりだった「ビジネススマートフォン カンファレンス 2011」は当初予定通りに4月19日に開催しました。延期も検討しましたが「止めよう自粛スパイラル」の意志で、当初予定通りの日程で開催したところ、結果的には日程が逆転してしまったのでした。

VMwareがWaveMakerを買収

 VMwareから、インフォテリアも出資をしているWaveMakerを買収するとの発表がありました。

 今後、WaveMakerは、VMwareのSpringSourceの一部として、開発を加速させていくことになります。WaveMakerが、300万人を超えるデベロッパーを持つSpringSourceの一員となることで、WaveMakerとの協業の成果がより多くのデベロッパーに提供できるなど、今後の大きなポテンシャルが期待できると私たちも判断しました。