インフォテリア」カテゴリーアーカイブ

国際色豊かな “Last Christmas”

先週、インフォテリアの「YEAR END PARTY」を開催しました。創業の時からずっと毎年12月に開いているこのパーティーには、社員だけでなく、社員の家族や恋人・友人を招待しています。それは、年に1度、私たちの日々の仕事を支えてくだっさっている家族や恋人・友人の方々への感謝を気持ちを伝える会でもあるからです。

その「YEAR END PARTY」で、今年は初の試みとなるバンド演奏を入れてみました。それも、ロックバンドです。インフォテリアでは、ことある毎にロックバンドを組んでいますが、今回は3年ぶり。現在私が理事長を務めているMIJSコンソーシアムの3年前の会員交流会で演奏して以来です。バンドメンバーは全員社員。私もメンバーの一人で、ギターを担当しています。もちろん、ギターはネックの指板までオールグリーンです(笑)。

演奏した曲は、以下の3曲。
・BE MY BABY – Complex
・LOVE YOU ONLY – TOKIO
・Last Christmas – WHAM!

最後の「Last Christmas」は、まさにインフォテリアらしい国際色豊かなものとなりました。どういうことかというと、曲のサビの「Last Christmas I gave you my heart〜」という歌詞を各国出身の社員で5ヶ国語で歌ったのです。その5ヶ国語とは、

・英語バージョン(原曲)
・フランス語バージョン
・韓国語バージョン
・中国語バージョン
・日本語バージョン

「アナと雪の女王〜Let It Go!〜」の25ヶ国語バージョンにはまだ遠く及びませんが、こういったエンターテイメントにおける言語対応も毎年少しづつでも増やしていき、参加していただく方々とも一緒に歌うことができれば、より楽しいパーティーになるなと、早くも来年の企画に思いを馳せた一夜でした。

なぜ、ダイバーシティ採用を推進するのか?

11月12日、インフォテリアはLGBT※の方々を含むダイバーシティ採用の推進を発表しました。そして、テレビメディアや日本経済新聞をはじめ、IT分野以外も含めて多くの媒体に興味を持っていただきました。

特に今月から渋谷区で発行が始まったLGBTを対象とした「パートナーシップ証明書」を婚姻届と同等に扱う点などについて、一部で「先進的」と話題にしていただいていますが、実は私自身はむしろ遅れているという感覚すらあります。

というのも、私がインフォテリアを創業する前に10年以上勤務していたLotus Development Corporation(本社:米国マサチューセッツ州)では、今から24年前の1991年にHomosexsual couplesを通常の婚姻と同等に扱うということを始めていたからです。そして、Lotus社内でもおおっぴらにその方々の掲示板ができたり、イベントが行われたりしていました。 Homosexsualであることをカミングアウトしている人の中には凄腕エンジニアも、辣腕マネージャーもいました。そういう環境を経験してきたので、いま注目を浴びてきていることは社会的にも企業的にも「ようやく」という感覚があるのです。

多くの人は別性同士でカップルになりますが、様々な理由や本人の思いなどから多様なパートナー関係が実際に存在しています。「自分達がそうじゃないから」とマイノリティの人たちを「間違っている」と言わんばかりに排除するのは、まさに多様性を認めないことにほかなりません。ですので、インフォテリアはLGBTの方々に門戸を広く開くだけではなく、社内制度においてLGBTの方々のパートナーを通常の婚姻と同等に扱うことや、社員のLGBTをはじめとするダイバーシティへの理解を深めるための研修も行います。

もちろん、ダイバーシティはLGBTのことだけではありません。インフォテリアでは、これまでも国籍、性別、宗教などを問わずに採用をしています。東京本社オフィスでも約1割の社員が外国籍ですが、まだ不十分と考えています。なぜなら、世界を目指す企業において、多様なマーケットで受け入れられる製品開発、営業活動を行い、国際競争力を強化していくには、メンバーの多様化が不可欠だからです。シンガポールにいると、まさに世界中の様々な人たちがチームを組み、違う考えを尊重し合い、刺激し合い、新しい価値を生み出している現場に遭遇します。日本のモノタイプな考え方や心地よさに危機感を覚えるのです。

ところで、このようなことは、各社で粛々と進めればよいという意見もあるなか、今回あえて報道発表を行ったのには、2つ理由があります。ひとつは、私たちだけでなく、多くの企業が、同じようにダイバーシティを意識した経営をすることを「宣言」すれば、マジョリティ以外の人たちにとって働きやすく生きやすい社会づくりに貢献できると信じているということ。もうひとつは、企業にとっても、マイノリティの方々の能力を引き出すだけでなく、多様性からもたらされる刺激や組み合わせによって、生産性を上げ、イノベーションを促進することにつながると考えていること、です。

よりよい社会を作るための動きも、政府や自治体にお任せではなく、各企業でできることはまだまだ「そこにある」のではないでしょうか。


※LGBT = 女性同性愛者(レズビアン、Lesbian)、男性同性愛者(ゲイ、Gay)、両性愛者(バイセクシュアル、Bisexual)、性同一性障害含む性別越境者など(トランスジェンダー、Transgender)の頭文字を繋げたもの。(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/LGBT

 

ノーベル賞と研究開発の大切さ

日本中がノーベル賞受賞に湧いていて、その興奮はシンガポールにまで伝わってきます。

大村智博士、梶田隆章博士、本当におめでとうございます!

ひとりの日本人として、本当に嬉しいし、誇らしく思います。
新たな元気をいただき、ありがとうございます。

喜びの反面、一方で気になることがあります。
それは、日本がこれからもノーベル賞受賞者を輩出しつづけるのだろうかということです。

ノーベル賞は元来、かなり以前の研究が多くの今の人の役に立っている成果に対して与えられることが多いものです。実際、今回のノーベル賞受賞理由も2000年代に入る前の研究や開発です。大村智博士の場合、抗生物質「エバーメクチン」の発見が1979年、メルク社で薬剤「イベルメクチン」が開発され発売されたのが1981年。梶田隆章博士の場合、スーパーカミオカンデの建設開始が1991年、ニュートリノ振動確認の発表が1998年。昨年ノーベル賞受賞の青色発光ダイオードも同様に、1980年代に研究され、開発を経て実用化されたのは1993年です。

しかし、多くの方々が危惧されているように、国内では1990年代後半から大学でも民間でも研究開発において直接的な成果や収入を重視するようになり、長い時間かけてじっくり研究開発するようなことが減っていきました。大学では成果の出やすいテーマに予算が回され、民間では中央研究所が縮小され多くの研究員が収入に直結する部署に回されました。

研究開発には、多大な時間がかかるし、成就しないものも多く、つまり無駄も多いものです。研究開発に絶対はない。だから研究開発なのですが。しかし、それでも、或ることを探求するために、信じて、考えて、工夫し続ける。ハタから見たら、なかなか成果が見えない、進んでいるのかどうかさえわからない、いったい何やってるんだと言いたくなる。それが研究開発です。

言われたことを確立された方法でやるのであれば、成果も出やすいし、目の前の収入にも直結しやすいのは明らかです。しかしそれは、研究開発では無いし、ノーベル賞を受賞するような世界中に貢献するような成果に繋がることも難しいでしょう。失われた20年と言われていた間にどれだけの研究開発ができていたのか、その答えの一つがこれから先のノーベル賞ではないでしょうか?

企業における研究開発でも同じだと考えます。

日本のソフトウェア産業では、売り上げに紐付いていない研究開発費が売り上げの1%を切っている会社がほとんどです。ゼロの会社も珍しくありません。ですから、インフォテリアが、研究開発費を売り上げの1割近くも費やしている(2014年度実績)のを見ると奇異に見えるかもしれません。しかし、それが私たちの挑戦の形です。目の前のニーズに応えるだけでなく、世界に大きな貢献をしたい。だから、注文書をいただいたから作るのでなく、失敗があろうが、無駄があろうが、自らのテーマを研究し開発を続けるのです。

「インフォテリアの森」スタート!

ASTERIAシリーズ、5,000社達成記念の活動「Infoteria Green Activity」の第1弾として「インフォテリアの森」が、いよいよスタートしました!

「インフォテリアの森」は、熊本県阿蘇郡小国(おぐに)町にある、5,000本を超える杉の森。インフォテリアはその森の保全、例えば間伐や林道整備などにかかる費用を支援し、緑を中心としたエコシステムの持続に貢献していきます。

9月3日、そのスタートとしてインフォテリアは、「無印良品」の良品計画や内田洋行に続き全国で第9番目の「ウッドスタート宣言」を行い、熊本県阿蘇郡小国町で調印式を行いました。調印式では、小国町長の北里耕亮氏、小国町森林組合長の時松明弘氏、東京おもちゃ美術館副館長の馬場清氏と私の4名で署名を行い、地元テレビ局をはじめ13ものメディアにお越しいただきました。

小国は、「屋久杉」と並んで九州の杉材を代表する「小国杉」の産地。調印式の会場となった小国町森林組合の建物は、すべて杉材でできており、机や椅子などもすべて杉。特徴のある心地よい杉の香りが体を包みます。

調印式では、「Infoteria Green Activity」の第2弾も発表しました。それは、「小国杉を使ったおもちゃやノベルティの制作」。木製のおもちゃを社員やパートナー企業社員の子供に配り「木育」を推進したり、インフォテリアがイベントなどで配るノベルティに小国杉を使ったりします。例えば、調印式でお披露目した100%小国杉の「うちわ」。表面には、インフォテリアの得意技である”繋”の文字を大きな樹に見立てたデザインを、裏面には、「Made in Oguni, Aso.」の文字を。海外でも小国町をアピールできるように、英語としました。

調印式の後に、報道の方々と一緒に実際に「インフォテリアの森」へ。その約11ヘクタールの森の入り口には、真新しい「インフォテリアの森」の看板が設置してあります。看板とともに今回お世話になった北里さん、時松さん、馬場さんと一緒に記念写真を撮り、緑を守り、緑を活用し、緑を中心としたエコシステムへの貢献に思いを新たにしました。

「おもちゃ」がつなぐ、木と気と記と機と

素晴らしい施設に伺いました!
その名は「東京おもちゃ美術館」。

「施設」と呼ぶのが躊躇されるほど素晴らしい「空間」です。
私は「美術館」という名称から、古今東西さまざまなおもちゃが展示してある所だと想像をしていました。

しかし、実際に伺ってみると確かに古今東西のおもちゃがあるのですが、いわゆる展示はほんの一部で、ほとんどがそのおもちゃを使って遊ぶことができる空間だったのです。昭和10年に建築された旧四谷第四小学校の3階建ての古い校舎を使って、さまざまなおもちゃに触れ、実際に遊ぶことができるのです。この美術館を運営するNPO日本グッド・トイ委員会の趣旨に沿った、木を使ったおもちゃを中心に、昔からのおもちゃ、毎年応募がある新作おもちゃ、世界各国のおもちゃ、さらにはこの美術館のオリジナルのおもちゃなど、元校舎全体にところ狭しと置いてあります。

館長の多田さんに案内していただいた「美術館」は、まさにおもちゃのワンダーランド。旧小学校の家庭科室は、手作り体験ができる「おもちゃこうぼう」、理科室は、赤ちゃん限定の「赤ちゃん木育ひろば」。かつては教室だった部屋は、けん玉やコマなど日本の伝統おもちゃで遊べる「おもちゃのまち」や、世界中のアナログゲームで遊べる「ゲームのへや」など、それぞれのコンセプトに合わせたおもちゃがぎっしりつまっているのです。これなら子供はだけでなく大人でも何時間でも滞在して遊んでいたいと思うほど。スタッフの中には、外国語が堪能な方もいらっしゃって、海外からの来館者にもしっかり説明をされていたことも印象的でした。

圧巻は、1階奥にある木庭(もくてい)の部屋(写真)。インフォテリアのパートナーでもある内田洋行のスペシャルユニット「パワープレイス」の若杉さん率いるチームのプロデュースです。

ここは部屋の入り口の杉のトンネルから始まって、床も全面が杉、おもちゃも全て杉。コンセプトは、「石庭」を木で実現する「木庭」、写真のように、砂の代 わりに敷き詰められた杉、石の代わりにドーンと置かれた杉のオブジェが印象的です。木の香り、木の手触りがとても心地よい空間です。中では、多くの子供と 引率のお母さんとお父さんが遊んでいました。

「ここでは、携帯をいじっているお母さんはいません。子供をほったらかしにしているお父さんもいません。」

と、多田さん。見渡してみると確かにその通り。

「なぜですか?」と訊いたところ、

「木に囲まれ、木に触れることで、大人もリラックスできて楽しくなるんだと思います。」と。

確かに私もこの部屋に入っただけで、気持ちが落ち着くような、それでいてワクワクするような不思議な感覚に包まれました。木が多くの人の「気」に作用する、それを実感しました。

実はこの部屋は、すでに有名で、企業でもこの杉の部屋を作って欲しいという要望が多く来ていて、店舗のキッズスペースや、マンションの部屋として導入されるなど注目を集めています。

私が今回、「東京おもちゃ美術館」を訪れたのは、ASTERIAシリーズ5,000社突破記念として始めた「Infoteria Green Activity」の一環で、国産の木をもっと使っていくことに少しでも貢献しようという考えで、「ウッドスタートプログラム」に共感したからです。木を使う一つの方法として、小さな頃から木に触れる、つまり木のおもちゃや木のぬくもりを感じるようにということで、おもちゃ美術館は運営されています。

5,000社達成を記念をきっかけとして巡り合った方々と、自然を生かしたエコシステムの構築に、微力ながら貢献できる機会に恵まれたことを本当にありがたいと感じています。

なぜ「猛暑テレワーク」を始めたのか?

今日、東京では7日連続の猛暑日に突入。
「炎天下」という言葉がぴったりの日々が続いています。

インフォテリアでは、この猛暑対策として「猛暑テレワーク」の推奨を始めました。「猛暑テレワーク」とは、猛暑日(最高気温が35度以上)が予想される場合に、オフィスに出勤せずに自宅などオフィス以外の場所で勤務するものです。発表ではわかりやすいように(在宅勤務)と補足しましたが、実際には近くのカフェやコワーキングスペースなど、仕事のしやすい場所どこでもOKというものです。

この取り組みは日本初だったようで、IT系のメディアだけでなく、複数の新聞で取り上げられ、昨日はテレビ朝日の「報道ステーション」でも放送されるなど反響を呼びました。

一連の取材では、「どこもやっていない事に何故踏み切ったんですか?」とも聞かれました。しかし、「発想と挑戦」を経営理念のトップに挙げるインフォテリアでは逆に「前例がないこと」はやる理由にはなっても、やらない理由にはなりません。誰かがやり始めないと何も始まりません。今回もインフォテリアの取り組みが他の企業でも働く環境を工夫するきっかけになればと考えて発表したものです。

インフォテリアでは、2011年の東日本大震災を機に、タブレットの全社員配布や、自社製品「Handbook」を使った情報共有など、テレワーク環境の整備を進め、個人個人の事情による事前申請型のテレワークを行っていました。これによって、例えば、子育てなどの個別の事情に合わせた働き方の多様性を促進しています。

今回の「猛暑テレワーク」は、「良い仕事は、良い環境から」の考えのもと、猛暑日に満員電車で通勤する必要なく、快適な環境で良い仕事をしてもらうことを意図して決定・実施しました。実際、この夏FacebookやTwitterでは、会社に着くまでに疲れ切っている投稿も多く、猛暑時の通勤は無駄なエネルギーを費していることがよくわかりました。全社員にテレワーク環境の整っているインフォテリアなら追加のコストや制度構築なくすぐにでも始められたことも大きなポイントです。

具体的には、午前5時に気象庁から発表されるその日の最高気温が35度以上が予想される日に、仕事の予定上支障がない場合、上長の許可を得てテレワークを行うというものです。気象庁のウェブサイトに毎朝見に行くのが面倒という人のために、猛暑日の予報が出た場合にメールが届くサービスも「ASTERIA WARP」で開発しました。(開発期間:15分)

このようにITを駆使することで、働く環境を良くしていくことに、インフォテリアはこれからも取り組んでいきます。

株主総会のお土産の舞台裏

今年のインフォテリアの株主総会のお土産は、ワインショップで有名なエノテカ様のジャムとクラッカーのセットでした(写真)。

国内の上場企業は約3,500社ありますが、そのうちの約73%が株主総会のお土産を用意しているそうです(東洋経済新報社2014年調査)。そのお土産はどうやって選ばれているのでしょうか?選び方については、特段決まりは無く各社各様ですが、件の調査によると消費者向け商品のメーカーは自社商品をお土産にされるケースも多く、お菓子などの食べ物も定番のようです。また、人気アーチストを抱えるような会社は、アーティストのグッズやライブという珍しい形もあります。

さて、インフォテリアはどうでしょうか。メーカーですから、できれば自社製品といきたいところですが、企業向けのソフトウェア製品のため、株主総会に参加される株主の個人の方々には、適切ではありません。また、法律で決まっているわけではありませんが、あまり高額なお土産を出すのも株主平等の原則からすると適切ではなく、だいたい500円〜1,500円ほどの品が相場のようですから、価格レンジとしても合いません。

そこで、インフォテリアが上場直後の株主総会から始めたのが、その年度に新たにお客様になっていただいた企業の商品をお土産にするという方法です。そして、その中でもインフォテリアのコーポレートカラーであるグリーンの商品か、包装にグリーンが使われている商品をお土産にすることにし、上場以来、いままで続けています。これまでの歴代の株主総会のお土産は以下の通り。

開催年 企業名 おみやげの商品 ユーザー
2008年 ベネトン様 グリーンのエコバッグ ASTERIA
2009年 味の素ゼネラルフーズ様 コーヒーギフト ASTERIA
2010年 ライオン様 石鹸とキレイキレイ(ハンドソープ) ASTERIA
2011年 日本食研ホールティングズ様 そらドレ(ドレッシング) Handbook
2012年 エーザイ様 ユベラ贅沢ポリフェノール(高級サプリ) Handbook
2013年 敷島製パン(Pasco)様 抹茶フィナンシェ(お菓子) Handbook
2014年 ツムラ様 バスハーブ(入浴剤) ASTERIA
2015年 エノテカ様 いちじくのジャムとクラッカー ASTERIA

毎年、新しいお土産を考えるのは、大変ではありますが、複数の候補のなかから絞り込んでいくのは楽しくもあります。

来年は、どんな候補が出てくるのか?それは、今年度の営業の成果でもあり、楽しみです。来年のお土産が気になる方は、是非インフォテリアの株主になって株主総会に出席してください(笑)

 

ASTERIA導入5000社突破!〜感謝のグリーン活動〜

ついに!この日がやってきました。

ASTERIAの導入社数が、5,000社を突破です!

ノン・プログラミングでデータ連携が出来るASTERIA(R2)を出荷したのが13年前の今日、2002年6月25日でした。初年度の導入社数は、たったの20社。そのペースだと、5,000社達成には250年かかる計算ですが(笑)、おかげさまで、13年間で5,000社を達成することができました。

これも、ASTERIAを評価・活用いただいいているユーザー企業の皆様、ASTERIAを推薦・販売いただいているパートナー企業の皆様など携わっていただいた多くの皆様のおかげです。また、製品の開発、マーケティング、営業、サポート等を担った社員一人一人の積み重ね無しには達成することは出来ませんでした。ASTERIAに関与していただいた全ての皆様に感謝いたします。

この皆様への感謝を、具体的に社会に還元すべく、「Infoteria Green Activity」という活動を始めます。この活動を通じて、グリーンをコーポレートカラーとするインフォテリアは、「地球環境・自然」 と「人間社会・産業」との間の「エコシステム」の構築に向けた施策を中長期的な視点で展開し、サスティナブルな社会の実現を目指します。

その第1弾として、私の故郷である熊本県にある小国町に生育する5,000本の樹木の保守管理を行いうことを発表しました。

実は、最初に思い立ったのは、5,000本の植樹です。卒業記念、ホールインワン記念、いろいろな記念植樹がありますから(笑)。しかし、5,000本の植樹をしたいと関係方面に相談したところ、「いま日本に必要なのは、樹を植えることではなくて、樹を切ることだ」という話に面食らいました。

どういう意味か?

いま日本では、木材の使用が減り、植えた樹が使われないために、森林は手入れをされずに放置されていて荒れていることが問題だというのです。

意外と知られていない事実(私も知りませんでした)ですが、日本は世界でも有数の森林大国です。国土の中で森林が占める割合を表す「森林率」が、日本は、フィンランド、スウェーデンに次いで世界で3番目に森林率の高い国なのです。「世界森林白書2010」※1によると、日本の森林率は68.5%で実に国土面積の約2/3強を森林が占めているのです。世界の森林率の平均が約31%である ことを踏まえると、驚くべきことですね。

一方で、これほどの森林大国であるにも関わらず、日本の木材自給率は28.6%(出典:平成26年度 森林・林業白書※2)に過ぎず、多くを輸入木材に依存しているのが実情です。 これほどの森がありながら自国の木材がなかなか消費されないことで、日本の森林は、今、荒廃の危機にされされているというのです。

そこで、私たちインフォテリアがまず取り組むことにしたことが、手入れが行き届かなくなった 5,000本の樹木の管理を請け負い、森林の再生を図ることです。そして、日本の木材の需要が高まれば、こうした問題はおのずと解消されるわけですから、 第2弾、第3弾では、間伐した木を木材加工品の原料として活用するなどして自律的に持続可能なエコシステムをもう一度復活させるための活動を行い、林業や林産業のエコシステムの復活に繋がるような社会に貢献していきたいと考えています。

よりグリーンな(地球環境を守りながら持続可能な)社会のために。微力ながら。

※1:世界森林白書2010  http://www.rinya.maff.go.jp/j/kaigai/
※2:平成26年度 森林・林業白書 http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/26hakusyo/pdf/6gai4.pdf

なぜ社外取締役を過半数にするのか?

この5月に会社法が改正されました。その主旨の一つが、コーポレートガバナンスの強化。企業が、適正な、経営執行とその監督、監査をする仕組みの強化です。

インフォテリアでは、コーポレートガバナンスを強化するにあたって、執行側からの取締役会への参加を1人に絞り、社外取締役を過半数とすることにしました。創業時から米国型の経営体制を意識し、社外取締役を2名置き続けていますが、今回はそれをさらに進めた形で、今月の定時株主総会で承認を得て実施の予定です。執行側の取締役を絞り込むのは、以前から私が主張している「取締役は社内の出世の階段ではない」ということを明示するものでもあります。

取締役会に執行側からは社長だけが入っていて、他は社外取締役だけという構成は米国では珍しくありません。例えば、Appleの取締役会は執行側からはTim Cookだけ。例えば、AmazonもJeff Bezosだけ。また、社外取締役が過半数の取締役会もいたって普通で、GoogleもMicrosoftも社外取締役が過半数を占めています。

Apple社の取締役構成 (Source: apple.com)

日本では、社外取締役を増やすと経営スピードが遅くなるといった議論があります。しかし、そう主張している人たちの会社が上記のような米国の社外取締役が過半数の会社より経営スピードが速いかというと大きなクエスチョンマークが付くのは私だけでしょうか?

「島耕作」の出世物語でも明らかなように、そもそも取締役が「出世の階段」になってしまっていることが問題なのです。そのような会社では、取締役は執行責任者も兼ねていて、自分が執行することを自分で監督するというガバナンスの効きにくい状況になっており、執行を人から監督されたくないという意図も見え隠れします。上場している以上、経営者は責任者ではあっても特権階級ではありません。

このような考えから、今回取締役の過半数を社外取締役する予定です。しかし、日本の会社の体制としては、まだ実態どころかイメージも定着はしていませんので、ある程度の誤解を招くことも承知でチャレンジしてみることにしました。

実際、この件を発表したところ常勤取締役だった2名について一部企業情報サービスでは社内役職も含めて「退任」という誤報が流れたために、「退社」と勘違いされて多くの問い合わせが舞い込むということが起こりました(笑)。しかし、もちろん退社はしませんし、執行における責任者としての立場は変わりません。つまり、共同創業者である北原淑行は、これからも執行役員副社長として研究開発の責任者ですし、上場前から金庫番として管理面を支えている齊藤裕久は、これからも執行役員コーポレート本部長として管理・財務の責任者です。また、私自身は執行を兼務することを明示するために、取締役でかつ執行役員となる予定です。

ところで、今回の株主総会で選任いただく社外取締役(候補)は次の2名です。

Anis Uzzaman

– 米国Fenox Venture Capital, CEO

田村耕太郎

– 国立シンガポール大学兼任教授
– 米国Milken Institute Fellow
– Japan Intelligence Initiative, CEO

お二方とも、それぞれの分野で豊な経験をお持ちでまた、日本国外の知見、ネットワークも広く、世界を目指すインフォテリアの計画、執行をしっかりと監督し、インフォテリアの成長に寄与していただける方です。取締役会も英語での開催が可能になります(笑)。(実際には、取締役以外のメンバーも参加することや、議事録の開示の場合に備えて、日本語での開催になりますが。)日本の上場企業では、社外取締役を過半数にするところはまだ少ないですが、グローバルに求められる上場企業のコーポレートガバナンス強化に寄与すると確信して、今回の株主総会に諮ります。

さらに、この株主総会では、監査役を計4名とする監査役の2名の選任議案や、2016年3月期からのIFRS導入に備えて、国際業務にも強い新日本有限責任監査法人への監査人の選任議案についても審議いただく予定です。

インフォテリアの株主総会は、集中日を避け、また個人株主の方々に一人でも多く参加していただけるよう、今年も6月20日土曜日に開催します。取締役をはじめとする新たな役員体制だけでなく、インフォテリアの経営全般について、株主の皆様と意見交換ができる年に一度の貴重な機会と考えていますので、万障繰り合わせの上ご参加いただければ幸いです。

今年も、グリーンのお土産を用意していますので(笑)

真のSOAが始まる兆し

先週は、東京でASTERIAパートナーミーティングを開催しました。2015年度のキックオフとなるこのミーティングには過去最大となる約200名のパートナーの方にご参加いただき、セミナーから懇親会まで大盛況で終えることができました。

■史上最多のパートナー様の登壇

今回は、ASTERIA WARP最新版のコンセプト「共存”“栄」を反映し、多くのパートナー企業の皆様にご登壇いただきました。

まず私のセッションで、欧米で急成長中のクラウドBIベンダーTableau Japanの浜田社長(ASTERIAのTableau専用アダプターを本日発表)、各種業務プロセス管理をクラウドで提供するクレオネットワークスの宮島社長、データ解析をクラウドで提供するアイズファクトリーの大場社長にご登壇いただき、各々のサービスとASTERIAの連携でさらに高まる価値についてお話しいただきました。

この4月に新しくASTERIA事業本部長に就任した熊谷晋のセッションでは、私のセッションで登壇いただいたクレオネットワークス様とアイズファクトリー様に加えて、アダプターを開発いただいた信興テクノミスト様、アイ・エス・アイソフトェア様の4社の方々にご登壇いただきデモを含めた具体的なサービスの説明を行っていただきました。

さらに、懇親会においては、先日APIを発表された近々専用アダプターが提供されるSansan様、専用アダプターでASTERIAと簡単連携ができる「kintone」のサイボウズ様にもご登壇いただきました。

■続々増えるクラウドサービスに必要とされる連携

このように、今回数多くのパートナーの皆さまにご登壇いただいたのには理由があります。それは、各社が提供されるクラウドサービスがAPIを持ち、そのAPIにASTERIAがつながることで、「真のSOA」とでも呼ぶべき企業システムの構築を支援していくことができると考えるからです。

企業向けのクラウドサービスといえばSalesforce.comしか代表的なものが無いという時代がしばらく続いていましたが、最近数多くの企業向けのウェブサービスが、APIも伴って提供されるようになってきました。

データ連携の世界では、10年ほど前に「SOA」(Service Oriented Archtechture) というキーワードが踊った時代がありました。企業内のにESB (Enterprise Service Bus) というデータバスを敷いて、それぞれのシステムをWeb Services (WS-*)という規格を使ってつなぐという企業システムの構造です。

当時、データ連携ソフトウェア各社がこぞってSOAを連呼する中、インフォテリアは一貫してこのSOA祭りから一定の距離を置いていました。その理由は2つ。1つはこのESBの考え方が「社内システム」を前提としており社外との連携がスコープに入らないこと、もう1つはこれまでのレガシーシステムの再構築を余儀なくされることです。

そこで、インフォテリアでは、2006年にESBを包含し発展させた形で社外やクラウドサービスともつながる「ESP」(Enterprise Service Pipeline)を提唱し、ASTERIA WARPの提供を開始したのです。私たちの考えは、ITにおいて社内と社外の区別はどんどん無くなって、極めて連続性の高いものになるということでした。

あれから約10年、WS-*を使って社内連携基盤を構築して成功している会社を私は知りません。理想は理解しますが、ESPで唱えた2つのポイントはやはり重要であったと考えています。

■企業システムはクラウドサービスを組み込んで誰もが使う時代に

では、SOAの理想はもう潰えたのかというと、クラウドサービスの充実とそのAPI提供によって逆にいよいよサービス主体でシステムを構築していく正にSOAと呼ぶべき時代が到来しつつあると考えています。それは、2006年のASTERIA WARP発表会で私が述べたように、社内だけの閉じたサービスではなく、APIで提供される社外のクラウドサービスをも組み込んだSOAです。技術的には、WS-*のような複雑な仕様ではなく、RESTとXML/JSONを使ったシンプルな構造です。

これから、APIベースのクラウドサービスはどんどん増えてきます。各社のもつ機能や事業がAPI化されていきます。これまでは、人を経由したり、書類で提供していた自社のもつ価値をAPIで提供できるようになり、それを組み込んでシステムが動き、アウトプットもAPI化されていく世界です。そしてそれを組み合わせて各社システムが作られるようになってきます。これこそまさに「SOA」と呼ぶにふさわしいものではないでしょうか。

そして、その時代にやはり重要なのが、それらAPIの「つなぎ」を実現するためのデータ連携。そして、それをシステム部門だけでなく現場が使えるようになること。APIはApplication Program Interfaceという名の通り、使うためにはプログラミングが必要ですが、現場で使えるためにはプログラミング無しで簡単にサクサク繋いで使えることが重要です。そこでASTERIA。

私たちはこのような時代に向けて、クラウドサービス各社との協業を強め、APIベースの連携アダプターを各社とともに開発し、新しいクラウドサービスベースのシステム開発の実現に貢献していきます。