これからのミャンマーに注目

先日、ミャンマーを訪問してきました。ミャンマーという国はブログの読者の中でも行ったことのある人は少ないのではないかと思います。1991年までは、ビルマという国名だったので、こちらの方が馴染みが深い方もいらっしゃるかもしれません。

さて、シンガポールから飛行機で約3時間。2006年までミャンマーの首都であった都市ヤンゴンに降り立ちました。ヤンゴンは、首都では無くなった今でも400万人を超える人々が住むミャンマー最大の都市です。

ヤンゴンの市内で、まず目立つのが日本車です。走っている車は、トヨタが半数程度に加えて、ホンダ、マツダ、日産などがほとんど。私が見た感じで走っている車のざっくり9割が日本車です。しかも、そのほとんどが日本から輸出された中古車なので、道路が右側通行にもかかわらず右ハンドル。そして、さらに驚くのが路線バスです。バスも日本からの中古車が多いので、昇降のドアが歩道とは反対側についているのです!もちろん車道側から乗るのではなく、歩道側に四角い穴が1つ開けてあって、そこから乗り降りするのです。

国内最大の都市でもそういう状況のミャンマーですから、社会インフラはまだ発展途上です。証券取引所がいよいよ今月下旬に稼働を始め、銀行も都市部だけで企業と富裕層のみを対象としているなど、金融インフラも一般の人々には行き渡っていません。

そのような環境の中、一般の人々の経済活動を支え新たな活気を与えているのがマイクロファイナンスです。マイクロファイナンスとはその名の通り、少額融資のことで、発展途上国において一般の人たちの経済活動を支援するしくみとして脚光を浴びています。

先日、インフォテリアはミャンマー最大のマイクロファイナンス機関である、BC Finance社とブロックチェーンの実証実験に関しての合意を発表しました。そこで、ヤンゴンにあるBC Financeの本店と、郊外にある支店を視察しました。写真にもあるとおり、貸出しおよび返済業務はまだ個別(スタンドアローン)PCに記録しモバイルネットワークを使って送る仕組みです。

発展途上国で少額とは言えお金を貸すということは、ある程度の事故(貸し倒れや遅延)があると思われがちですが、BC FinanceのCEOのJeremy Klosier-Jones氏によると業務を始めてからいままでに1件も貸し倒れも遅延もないということにもミャンマーの農村部の人々が大変真面目でという面があらわれているということ。

ミャンマーは、この4月から政権が代わり、アメリカなど欧米諸国の制裁も緩和されることが期待されています。そうなると欧米からの投資も増え、真面目な国民性も奏功して、経済が発展していくと推測されています。未開の地であるからこそ、現システムのしがらみがなく、一足飛びに社会インフラが整備されていく可能性が高いです。これからのミャンマーに注目です。

LGBT社内研修会を開催

今週月曜日、同性カップルでLGBTアクティビストの増原裕子さんと東小雪さんをお招きして、全社員を対象に「LGBT(性的マイノリティー)社内研修会」を開催しました。

インフォテリアでは昨年11月に、制度面においてもLGBTの方々を男女のカップルと同様に差別なく認め、また社員として積極的に受け入れることを宣言しました(その経緯と理由はこちらのエントリで)。その一環として、受け入れる側の社員全員がLGBTについての認識を高め、差別のない働く環境を作っていくための取り組みの一つです。

LGBTを差別しないと宣言しても、その方々の考えや気持ちをわからずに実践することはできません。そこで、LGBTの方々が暮らしやすい社会作りを目指して活動されている増原裕子さんと東小雪さんから具体的に話を聞くことにしたわけです。お二人のご経験や、他社での事例、私たちが取り組めることなども踏まえ、1時間半のお話は大変参考になるものでした。

日本のLGBT当事者は7.6%(電通ダイバーシティ・ラボの調査)といわれ、単純計算では13.2人に1人がLGBTであるということになります。しかし、まだ日本ではLGBTに対する環境が整っていなかったり、排他的意識があるとカミングアウトすることは難しく、それによって働く意欲や、生産性に影響を与えていることが多いのだそうです。

お話が終わった後には、参加した社員からも活発に質問が出ました。お二人の回答からは、ソフトウェアとして取り組めることなども明らかになり、順次取り組んでいくこととしました。例えば、ユーザー情報を入力する際に一般的には「男性/女性」の選択肢がありますが、これを「男性/女性/その他」とすることで、LGBTの方々のストレスを下げることができるなどは、ウェブや製品で私たちが貢献できることです。


セミナー終了後には、社員本人のみならず家族や周りの人たちとも意識を共有してもらいたいと考え、お二人の最新刊「同性婚のリアル」を全社員に配りました。(表紙がグリーンだったからではありません(笑))

インフォテリアという小さな会社の小さな取り組みではありますが、小さなことからでも社会を変えていく一歩になればと考えています。

財部誠一さんとの対談「ブロックチェーンとは?」

インフォテリアのフィンテックへの取り組みが知られるに従って、「ブロックチェーンとは何?」という問い合わせが増えています。先日、経済ジャーナリストの財部誠一さんからも、ブロックチェーンを解説して欲しいとのリクエストをいただき、財部さんへの解説そのものが、多くの人に役立つと考え、ウェブでも公開させてもらうことにしました。題して、『これから学ぶ方でもよくわかる「ブロックチェーン」』割と長い説明になったので、4回シリーズでお届けします。ご期待ください。

 

なぜ、ブロックチェーンなのか?

話題を呼んでいます。

インフォテリアが昨年12月4日に発表した、国内唯一のプライベート・ブロックチェーンの開発企業テックビューロ株式会社との提携です。

インフォテリアのプレスリリースを見て初めて「ブロックチェーン」という言葉を知ったという人も多かったのですが、ブロックチェーンそのものはBitcoinの構成要素として理論が発表されて7年ほども経つ技術です。この技術は、データの管理にあたって、改竄できない、ダウンタイム(システムダウンにより使えない時間)がない、従来比べて極めて安価にシステムを構築できるという特長があり、金融IT革命=フィンテックの中核技術として注目されています。


テックビューロ朝山社長と(記者説明会にて)

インフォテリアが、今回プライベート・ブロックチェーンに注目したのは、プライベート・ブロックチェーンが、Bitcoinに使われているパブリック・ブロックチェーンの良さを活かしながら金融をはじめ多くの企業情報システムに使うことができると考えているからです。

そもそも私が最初にブロックチェーン技術をインフォテリアに関係あるものとして意識したのは一昨年の夏、Y-CombinatorのDemo Dayからです。ここで発表をしたBitcoin関係のスタートアップが、ブロックチェーンという言葉を使い、仮想通貨以外での利用の可能性に言及していました。そこで、私はブロックチェーンに注目をはじめ、昨年の春には当社のCTOがブロックチェーンの研究を行いました。その後、昨年の夏にシンガポールで某金融機関のCIOにお会いしたときにブロックチェーンの利用を真剣に検討中だという話を聞き、この技術が金融業界において極めて重要になってきているという認識を新たにしました。

当時、私は国内にはブロックチェーンの開発企業はないと思っていた(知らなかった)のですが、その後今回提携したテックビューロ社の存在を知り、ASTERIAと同社のプライベート・ブロックチェーン「mijin」(ミジン)をつなぐことで、それまでイメージしていたブロックチェーンを様々なシステムに活用するということが、にわかに現実のものとして浮かび上がり両社での提携となりました。

ブロックチェーンは現在フィンテックの中核技術として注目を浴びていますが、金融以外の業界にも有効です。例えば、以下のように「改竄が許されないデータ」をシステムダウンすることなく管理することが必要なシステムに応用することができます。

・製造業(ManuTech)における、検査・検証データ
・流通業(TransTech)における、トレーサビリティデータ
・医療(MediTech)における、臨床データ
・公共(GovTech)における、登記や試験のデータ

例えば、あの「下町ロケット」における、サヤマ製作所でのデータ改竄のようなことも不可能となるわけです。

この他にもあらゆる領域での「改竄が許されないデータ」に適用が考えられます。プライベート・ブロックチェーンの「mijin」には、API (Application Programming Interface) がありますが、文字通りプログラミングをしないと使えません。そこで、ASTERIA WARPを組み合わせることで、ノン・プログラミングでブロックチェーンを使うことができるようになります。しかも、9年連続市場シェアNo.1の実績あるASTERIAですから、既存のシステムでブロックチェーンを使う際にも適しています。

さらにインフォテリアは、テックビューロ社だけでなく、さくらインターネット社とも組み、クラウド上で、「mijin」+「ASTERIA WARP」の実証実験環境を6月末まで無償提供することを発表しました。まだまだ新しい技術であるブロックチェーンをさまざまな用途で「とりあえず使ってみる」ことを支援するために。

インフォテリアは、ブロックチェーンをより広く多くのシステムで使えるようにすることで、金融革命への貢献だけでなく、あらゆる企業にブロックチェーンの恩恵をもたらすべく、これからも尽力します。

ご参考:「mijin」の紹介ビデオ

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます!

いよいよ、2016年の幕開けです。

昨年、私は「外に出る」をテーマに様々な活動を展開してきました。

自らの慣れた場所、慣れた領域は、安心でリスクも少ないですが、
「変化」こそ大きな成長への糧と確信して。

今年は、創業来ご指導ご支援いただいた故堀場雅夫さんに肖り、
「おもしろおかしく」をテーマに活動します。

堀場さん曰く、
「おもしろい仕事をするか、おもしろく仕事をするか。その二つしか成功の道はない。」

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

インフォテリア株式会社
代表取締役 執行役員 社長
Infoteria Pte.Ltd. CEO
平野洋一郎

 

国際色豊かな “Last Christmas”

先週、インフォテリアの「YEAR END PARTY」を開催しました。創業の時からずっと毎年12月に開いているこのパーティーには、社員だけでなく、社員の家族や恋人・友人を招待しています。それは、年に1度、私たちの日々の仕事を支えてくだっさっている家族や恋人・友人の方々への感謝を気持ちを伝える会でもあるからです。

その「YEAR END PARTY」で、今年は初の試みとなるバンド演奏を入れてみました。それも、ロックバンドです。インフォテリアでは、ことある毎にロックバンドを組んでいますが、今回は3年ぶり。現在私が理事長を務めているMIJSコンソーシアムの3年前の会員交流会で演奏して以来です。バンドメンバーは全員社員。私もメンバーの一人で、ギターを担当しています。もちろん、ギターはネックの指板までオールグリーンです(笑)。

演奏した曲は、以下の3曲。
・BE MY BABY – Complex
・LOVE YOU ONLY – TOKIO
・Last Christmas – WHAM!

最後の「Last Christmas」は、まさにインフォテリアらしい国際色豊かなものとなりました。どういうことかというと、曲のサビの「Last Christmas I gave you my heart〜」という歌詞を各国出身の社員で5ヶ国語で歌ったのです。その5ヶ国語とは、

・英語バージョン(原曲)
・フランス語バージョン
・韓国語バージョン
・中国語バージョン
・日本語バージョン

「アナと雪の女王〜Let It Go!〜」の25ヶ国語バージョンにはまだ遠く及びませんが、こういったエンターテイメントにおける言語対応も毎年少しづつでも増やしていき、参加していただく方々とも一緒に歌うことができれば、より楽しいパーティーになるなと、早くも来年の企画に思いを馳せた一夜でした。

シンガポール チキンライス ランキング 2015

シンガポールに赴任して1年が経ちました。

最近では、シンガポールのことを色々と聞かれることが増えましたが、定番の一つはシンガポール料理についてです。東南アジアの料理の中では、タイ料理、インドネシア料理、ベトナム料理などがポピュラーですが、日本ではシンガポール料理店は少ないので、あまりイメージがわかない人が多いのではないでしょうか?

シンガポールは元々マレーシアの一部で、今年で建国してからまだ50年しか経っていないため、これぞシンガポール料理というものは、そんなに多くはありません。メジャーなところでは、チリクラブ、チキンライス、バクテー、ラクサあたりです。

その中で、辛くなく子供から大人まで広く人気のあるシンガポール料理がチキンライスです。日本ではチキンライスというとケチャップ味の鶏チャーハン(写真右)ですが、シンガポールのそれは全く違うものです(写真上)。

さて、世は師走で、様々な年間ランキングが発表され始めています。私もこの1年間で様々な所でチキンライスを食べる機会がありましたので、その中でのシンガポールチキンライスの私的ランキングをお届けします。(文中、S$はシンガポールドルで、S$1=約90円)

第5位 Chatter Box
場所:Mandarin Orchard Hotel 内

高級チキンライスとしては、最も有名な店でしょう。しかし、チキンライスの値段はなんとS$27。しかも税、サービス料は別なので、会計はS$30を超えます。ホーカーセンターの10倍近くしますが、味はホーカーセンターと大きな違いはなく、清潔感、雰囲気、器、サービスが違うところです。Marina Bay Sands Hotel、Westin Singapore Hotelと並んで、シンガポール最高値でコスパは悪く、お客様とのランチ向けです。

雰囲気:★★★★★
味  :★★★★
コスパ:

第4位 Tian Tian (天天)
場所:Maxwell Food Centre 内

チャイナタウンの外れMaxwellのホーカーセンター内にあります。地元の人達にも人気でランチ時は長い行列ができています。数年前にここで働いていた料理長が経営者と衝突して独立した店が同じ並びの3軒先にできていますが、人気は相変わらず。観光客も来るためか、価格はMサイズS$5.00でホーカーにしては高めです。

雰囲気:★★★
味  :★★★★
コスパ:★★★★

第3位 Loy Kee (黎記)
場所:342 Balestier Rd, Singaopre 329774

老舗でガイドブックにもよく登場している店です。スープがなかなかいい味を出しています。野菜とのセットでS$7とリーズナブルです。私はいずれの店でもSteamedがオススメですが、店内で見渡すとこの店はRoastのファンも多いようです。中心部から離れたところにあるので観光で行くのは難しいですが、宿泊がたまたま近い場合には行くと良いでしょう。

雰囲気:★★★★
味  :★★★★
コスパ:★★★

第2位 Tong Fong Fatt (東風発)
場所:Amoy Street Food Centre 内

数あるホーカーセンターのチキンライスで私のイチオシはここです。ボーンレス(骨なし)が売りで、$3.50。コスパは最高レベルなので地元民に人気でいつも行列ができています。雑然とした雰囲気でかつ冷房なしでも大丈夫な人は、ここに限らずホーカーセンターのチキンライスはオススメです。昼時は席を取るのが難しいので、少し時間をずらして行くとよいでしょう。

雰囲気:★★★
味  :★★★★★
コスパ:★★★★★

第1位 Wee Nam Kee(威南記)
場所:101 Thomson Road, #01-08 United Square, Singapore 307591

今年7月に、日本進出を果たした老舗店です。チキンライスが$4.50、野菜とのセットが$7.50。エアコンが効いていてコスパの良い美味しいチキンライスならここ。シンガポールの自宅が近いこともあり、よく行っています。ちなみに、東京の店は田町にありますが、米が日本国産米で食感が随分異なるので注意が必要です。

雰囲気:★★★★
味  :★★★★★
コスパ:★★★★★

物価が東京よりも高いと言われるシンガポール。実際に住んでみてその通りであることを実感しているのですが、食事に関していえばランキングでもわかる通り、ホーカーセンターなどでは500円以下で食べられるものも少なくありません。シンガポールが2度目以上の人はぜひホーカーセンターでの食事もトライしてみてください。

なぜ、ダイバーシティ採用を推進するのか?

11月12日、インフォテリアはLGBT※の方々を含むダイバーシティ採用の推進を発表しました。そして、テレビメディアや日本経済新聞をはじめ、IT分野以外も含めて多くの媒体に興味を持っていただきました。

特に今月から渋谷区で発行が始まったLGBTを対象とした「パートナーシップ証明書」を婚姻届と同等に扱う点などについて、一部で「先進的」と話題にしていただいていますが、実は私自身はむしろ遅れているという感覚すらあります。

というのも、私がインフォテリアを創業する前に10年以上勤務していたLotus Development Corporation(本社:米国マサチューセッツ州)では、今から24年前の1991年にHomosexsual couplesを通常の婚姻と同等に扱うということを始めていたからです。そして、Lotus社内でもおおっぴらにその方々の掲示板ができたり、イベントが行われたりしていました。 Homosexsualであることをカミングアウトしている人の中には凄腕エンジニアも、辣腕マネージャーもいました。そういう環境を経験してきたので、いま注目を浴びてきていることは社会的にも企業的にも「ようやく」という感覚があるのです。

多くの人は別性同士でカップルになりますが、様々な理由や本人の思いなどから多様なパートナー関係が実際に存在しています。「自分達がそうじゃないから」とマイノリティの人たちを「間違っている」と言わんばかりに排除するのは、まさに多様性を認めないことにほかなりません。ですので、インフォテリアはLGBTの方々に門戸を広く開くだけではなく、社内制度においてLGBTの方々のパートナーを通常の婚姻と同等に扱うことや、社員のLGBTをはじめとするダイバーシティへの理解を深めるための研修も行います。

もちろん、ダイバーシティはLGBTのことだけではありません。インフォテリアでは、これまでも国籍、性別、宗教などを問わずに採用をしています。東京本社オフィスでも約1割の社員が外国籍ですが、まだ不十分と考えています。なぜなら、世界を目指す企業において、多様なマーケットで受け入れられる製品開発、営業活動を行い、国際競争力を強化していくには、メンバーの多様化が不可欠だからです。シンガポールにいると、まさに世界中の様々な人たちがチームを組み、違う考えを尊重し合い、刺激し合い、新しい価値を生み出している現場に遭遇します。日本のモノタイプな考え方や心地よさに危機感を覚えるのです。

ところで、このようなことは、各社で粛々と進めればよいという意見もあるなか、今回あえて報道発表を行ったのには、2つ理由があります。ひとつは、私たちだけでなく、多くの企業が、同じようにダイバーシティを意識した経営をすることを「宣言」すれば、マジョリティ以外の人たちにとって働きやすく生きやすい社会づくりに貢献できると信じているということ。もうひとつは、企業にとっても、マイノリティの方々の能力を引き出すだけでなく、多様性からもたらされる刺激や組み合わせによって、生産性を上げ、イノベーションを促進することにつながると考えていること、です。

よりよい社会を作るための動きも、政府や自治体にお任せではなく、各企業でできることはまだまだ「そこにある」のではないでしょうか。


※LGBT = 女性同性愛者(レズビアン、Lesbian)、男性同性愛者(ゲイ、Gay)、両性愛者(バイセクシュアル、Bisexual)、性同一性障害含む性別越境者など(トランスジェンダー、Transgender)の頭文字を繋げたもの。(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/LGBT

 

バック・トゥー・ザ・フューチャーの日


2015年10月21日午後14時29分。

「バック・トゥー・ザ・フューチャー」のドクが、デロリアンで到着したようです。
まずはビデオを観てみましょう。

「未来は自分で作るもの (Your future is whatever you make it)」

ドクに言われるとまた重みが違いますね(笑)。

確かにドクのいう通り、「バック・トゥー・ザ・フューチャーII」で描かれた2015年10月21日と、今日はかなり違っています。例えば、

一方で、実現している未来もあります。

  • テレビ会議
  • タブレット端末
  • ウェアラブル端末

どうでしょう、実現していないものも途上というものも多いですね。まさに、未来予想が当たっていないということは、未来は確定していない証拠といえるのでしょう(笑)

映画が想定していた30年後の未来への旅。個々のモノの進化は予想の通りではなかったにしろ、30年間を振り返ると世の中で数々のイノベーションがあり、いまや30年前の世界に後戻りして仕事をしたり生活をしたりするのはかなり難しい状況だということがわかります。

ですから、これからの30年もさらにイノベーションは続き、世の中は変わっていくのでしょう。そしてそのイノベーションは、天から降ってくるものではなく、世の中の誰かが作っていくのです。つまり、未来は確定していないだけではなく、世の中の誰かが作っていくのです。

私の座右の銘に、アラン・ケイ博士の「The best way to predict the future is to invent it.」という言葉がありますが、ドクの言葉はまさにこれとかぶります。ドクの言う通り、予想通りにならなくても、これからも自らの未来を作り続けていこうではありませんか。デロリアンで、どの時代を見に来られても恥ずかしくないように。

(参考:ドクの発言全文)

“If my calculations are correct, it is now precisely October 21st, 2015. The future has finally arrived!  Yes, it is different than we all thought, but don’t worry, it just means your future hasn’t been written yet.  No one’s has. Your future is whatever you make it.  So make it a good one.”

ノーベル賞と研究開発の大切さ

日本中がノーベル賞受賞に湧いていて、その興奮はシンガポールにまで伝わってきます。

大村智博士、梶田隆章博士、本当におめでとうございます!

ひとりの日本人として、本当に嬉しいし、誇らしく思います。
新たな元気をいただき、ありがとうございます。

喜びの反面、一方で気になることがあります。
それは、日本がこれからもノーベル賞受賞者を輩出しつづけるのだろうかということです。

ノーベル賞は元来、かなり以前の研究が多くの今の人の役に立っている成果に対して与えられることが多いものです。実際、今回のノーベル賞受賞理由も2000年代に入る前の研究や開発です。大村智博士の場合、抗生物質「エバーメクチン」の発見が1979年、メルク社で薬剤「イベルメクチン」が開発され発売されたのが1981年。梶田隆章博士の場合、スーパーカミオカンデの建設開始が1991年、ニュートリノ振動確認の発表が1998年。昨年ノーベル賞受賞の青色発光ダイオードも同様に、1980年代に研究され、開発を経て実用化されたのは1993年です。

しかし、多くの方々が危惧されているように、国内では1990年代後半から大学でも民間でも研究開発において直接的な成果や収入を重視するようになり、長い時間かけてじっくり研究開発するようなことが減っていきました。大学では成果の出やすいテーマに予算が回され、民間では中央研究所が縮小され多くの研究員が収入に直結する部署に回されました。

研究開発には、多大な時間がかかるし、成就しないものも多く、つまり無駄も多いものです。研究開発に絶対はない。だから研究開発なのですが。しかし、それでも、或ることを探求するために、信じて、考えて、工夫し続ける。ハタから見たら、なかなか成果が見えない、進んでいるのかどうかさえわからない、いったい何やってるんだと言いたくなる。それが研究開発です。

言われたことを確立された方法でやるのであれば、成果も出やすいし、目の前の収入にも直結しやすいのは明らかです。しかしそれは、研究開発では無いし、ノーベル賞を受賞するような世界中に貢献するような成果に繋がることも難しいでしょう。失われた20年と言われていた間にどれだけの研究開発ができていたのか、その答えの一つがこれから先のノーベル賞ではないでしょうか?

企業における研究開発でも同じだと考えます。

日本のソフトウェア産業では、売り上げに紐付いていない研究開発費が売り上げの1%を切っている会社がほとんどです。ゼロの会社も珍しくありません。ですから、インフォテリアが、研究開発費を売り上げの1割近くも費やしている(2014年度実績)のを見ると奇異に見えるかもしれません。しかし、それが私たちの挑戦の形です。目の前のニーズに応えるだけでなく、世界に大きな貢献をしたい。だから、注文書をいただいたから作るのでなく、失敗があろうが、無駄があろうが、自らのテーマを研究し開発を続けるのです。