インフォテリア新喜劇は「Handbook 4」の切り札になるか?


昨日(9月12日)、Handbookのメジャーバージョンアップで第4代目となる「Handbook 4」の記者説明会を行いました。Handbookは、今回のメジャーバージョンアップで、組織を超えてデジタル化された情報を渡すことのできる新しい段階のMCM (Mobile Content Management)に進化します。

しかし、問題はその新しい概念をどのように記者の方々に理解してもらうかでした。例えば、「ブックドロップ」の機能は、社内で配信したリッチな情報をお客様にもセキュアなままで「手渡し」し、かつその「手渡し」履歴などもフィードバックできるという機能です。記者の方々に出来るだけ理解してもらえるように、デモは、壇上で行うのではなく、出来るだけリアルにお見せしようということになりました。

そこで、この説明会のために結成されたのが「インフォテリア新喜劇」(笑)。ブライダル営業を想定シーンとし、営業シーンから情報を持ち帰っての家庭内での会話の一連の流れを寸劇で表現することにしました。また、そのために記者会見場は、よく使う大手町の会議室ではなく、Handbookを実際にブライダル営業にご利用いただいているハイアットリージェンシー東京様の宴会場にしました。記者の方々に座っていただくテーブルは、もちろん披露宴仕様で円卓にクロスがけ、式次第はフランス料理のメニュー風です(笑)

 

実際のデモのシーンはこうです。

ハイアットリージェンシーのブライダルサロンで、ブライダル営業の方がHandbookを使ってチャペルや披露宴会場を説明。新郎・新婦が「これ、お父さん、お母さんにも見せたいなあ」と言うと、ブライダル営業の方が、「タブレットかスマホをお持ちなら、見せられますよ」と返答。「え?持ち帰れるんですか?」と、驚く2人にHandbookで気に入った資料とプランを渡してあげる(「ブックドロップ」機能)操作をします。

その後、新郎・新婦は家に帰るわけですが、記者会見場内に、ソファーとテーブルが置かれ、新婦の家のリビングを再現。「カタログとか見積もりとかないのか?」という、新郎の父に、Handbookでもらってきた綺麗な披露宴会場の様子(360度パノラマ)や、新婚旅行のプランを見せるというシナリオです。

この寸劇の役者が、インフォテリア新喜劇のメンバー(笑)。新郎、新婦、新郎の父、新郎の母を演じました。そして、ブライダル営業の役は、実際のハイアットリージェンシー東京のブライダル担当の方にお願いしました。

この寸劇、「何が始まったか?」と驚かれていた記者のかたもいらっしゃった様ですが、概ね好評で「次回も寸劇やるんですか?」という質問までいただきました(笑)。今後、リアルな人と人のつながりを支えるソフトウェアが増えていく中で、寸劇が「伝えるチカラ」を増すのであれば、インフォテリア新喜劇の正式結成も検討してもよいかもしれません(笑)

50回目の誕生日

8月25日。私の誕生日、今回で50回目、つまり50歳になりました。

国内でTwitterやFacebookが流行始めてから、誕生日当日に数多くのお祝いメッセージをいただくようになりました。この歳になると1つ歳をとるというのも微妙ではありますが:)、やはりお祝いメッセージは嬉しいものです。

50年というと半世紀。確かに感慨深い物があります。今日があるのも、両親をはじめ、生まれたときからこれまでに繋がりのあった多くの方々のおかげです。あらためて感謝の気持ちがこみ上げてきます。本当にありがとうございます。

「人間50年」という言葉もあります。小さい頃は、50歳というと「おっさん」を過ぎて、「じいちゃん」の領域と感じていましたが、実際に自分がその年になってみると全くそういう気持ちも感覚はありません。それどころか、残りの人生の時間もいよいよはっきりしてきて、これまで以上にチャレンジしていきたいと、意欲漲る自分がいます。

残りの人生、どれだけ「べき」を減らし、「たい」に生きられるかのチャレンジです。「笑門来福」…これからも、日々笑顔を忘れず、はりきって生き抜きます。どうぞ、よろしくお願いします!

 

「ピースとハイライト」

今日は、終戦の日。

私は高校の頃から歌い続けている平和を願う反戦の歌が3曲あります。それは、中学の音楽の先生が教えてくれた歌。今考えると明らかに反戦活動家だった先生は、教科書は完全無視で、自分の作ったプリントの曲集で授業をしていました。そこにはギターのコードが振ってあったので、高校生になってギターを弾き始めたときに、そのプリント曲集を使って練習したのです。それ以来、今でもずっと、一人でギターを弾くときに口ずさんでしまうのが、その中の3曲。

私自身は戦争を経験していません。しかし、両親もその両親も戦争を経験し、その悲惨さは幾度となく聞きました。そして、世界のことを知るようになり、子供も生まれると、無関係の人々まで大量に殺戮する現代の戦争に対する反感と平和を願う気持ちは強まりました。

ところで、サザンオールスターズ復活第1弾として先週リリースされた曲が、「ピースとハイライト」。一見、煙草の歌かと思うタイトルですが、これは平和を願う反戦の歌。テレビCMで使われているサビの部分では、あまりわかりませんが、フルコーラスで聴くとよくわかります。

【「ピースとハイライト」一部抜粋 (C) Keisuke Kuwata】

♪都合のいい大義名分で 争いを仕掛けて
裸の王様が牛耳る世は 狂気
20世紀で 懲りたはずでしょう?

♪希望の苗を植えて行こうよ 地上に愛を育てようよ
この素晴らしい地球に生まれ 悲しい過去も愚かな行為も
人は何故に忘れてしまう?

私の4曲目に決定です。ギターを弾けなくなるまで、歌い続けて行きたい曲です。

「スマートデバイス活用サミット上海」大盛況でした

先日、ドコモチャイナと共催で「スマートデバイス活用サミット上海」を開催しました。150名という、日系ISVとしては比較的規模の大きいカンファレンスでしたが、定員を大きく超えるお申し込みをいただき、当日も満員御礼でした。

今回、基調講演にNHK Eテレの「テレビで中国語」のレギュラー出演者である段文凝さんを迎えたことで、現地上海での話題性も高かったのですが、それでも基調講演が終わっても席を立つ方は少なく、ベンダー講演や事例講演を含め、多くの方が最後まで聴いていただきました。

上海周辺では、タブレットのビジネス利用はまだあまり進んでいませんが、私たちはこれから数年先を見据えて市場創造に取り組んでいます。インフォテリアとしては日系企業を中心に、そして、ドコモチャイナさんは、日系だけでなく中国の内資系についてもHandbookの販売を推進いただいています。カンファレンスで、上海の活動の成果として、カシオ上海様でのHandbook採用を発表させていただき、また、レノボ様には法人営業での実際のHandbookの活用事例を語っていただき、大変好評を得ました。

インフォテリアの中国展開は、まだまだ緒についたばかりですが、少しずつ着実に土を踏み固めつつあります。昨今、IT企業の海外からの撤退話をよく聴きますが、私たちは、中国と中国語圏に価値を届けられるものと確信しています。これからも、現地のパートナーと組み、地に足のついた展開で着実にユーザーを増やして行きたいと考えています。

追伸:

このカンファレンス、私とお付き合いのある一部の方にも個別にご案内させていただきましたが、本エントリをもって開催の御報告と、御礼とさせていただきます。ありがとうございました。

 

なぜプランターでスイカやトウモロコシが穫れたのか?

今年の株主通信「Infoteria Vision」では、自宅ベランダで野菜プランター栽培を行っていることを取り上げてもらいました。

「Infoteria Vision」では、アスパラガスの写真が掲載されていましたが、先週、さらにスイカとトウモロコシを収穫することができました。いずれもプランターでの栽培です。Facebookで紹介したところ、スイカやトウモロコシがプランターで穫れることに驚かれた方も多かったようです。もちろん、多くの方々の想像通り栽培は簡単ではありません。

私が、プランターで野菜を育て始めたのは、子供が小さい時にトマトやピーマンが苦手だったので、それを食べることができるようにしたかったことから始まります。

その後、毎年子供に今年は何を植えたいか(日当たりの関係で夏の間だけしか育たないので)をホームセンターで選ばせて植えています。野菜の中にはもちろん、プランター栽培に適したものも適さないものもありますが、「それはプランターに適さないからやめておこう」とは決して言いません。あらかじめ悪い結果を予想してやめるのではなく、心の中で「これは難しいぞ」と思いながらも「よし、チャレンジしてみよう!」と植えてみるのです。農家の長男だという意地も少しあります(笑)。

こうやって選ばれた中にスイカとトウモロコシがありました。しかし、一発でうまくいったわけではありません。スイカは、昨年うまくいくまで実に3年連続失敗でした。毎年工夫を重ねて今年は成功2回目、味もバッチリでした。トウモロコシは、昨年初めて植えて失敗し、2年目でまともな大きさのものができましたが、味はまだまだでした。来年も再チャレンジです(笑)。

このように、スイカもトウモロコシも、成功した写真だけを見ると賞賛の声をいただきますが、その背景には、写真にもならないいくつもの失敗があるのです(笑)。失敗しても失敗しても子供と一緒に出来るまでチャレンジしているだけなのです。

事業にも似たような側面があります。

人間、経験が積み重なってくると、やらないうちに結果を先回りしてしまいます。新たなチャレンジも自分ではやらずに指示してやらせることが増えてきます。しかし、私自身は自分で手を動かすのが好きだということだけでなく、一緒に作業し、一緒に失敗し、一緒に工夫し、一緒に成功を分かち合う喜びをずっと感じ続けたいのです。なぜならば、気候が毎年変わるように、事業の環境も刻々と変わります。自分自身も触れ、悩み、感覚を一にしながら進まなければ、古い経験と感覚のまま周りを引きずってしまうからです。

世の中、マネジメントにはいろんな方法がありますが、私は自分の手が動く限り、口だけでなく自分の手も土につけたチャレンジをその基本にしたいと考えています。

「不格好経営」、それは格好をつけない力

DeNA創業者の南場智子さんの著書「不格好経営」がベストセラーとなっています。私の周りでも話題となっていますが、皆さんが読み進められるに従い、ここのところ毎日のように私に「知らなかった!」という連絡をいただきます。

それは、「不格好経営」の35ページあたりから書かれている、ある事件のことです。DeNAの創業時に外注していた「ビッダーズ」というオークションのシステムが、サービスイン1ヶ月前に実は全く出来ていなかったことが発覚し、そのリカバリーとして急遽インフォテリアがシステム開発を行ったという話です。

DeNAとは投資していただいたVCが同じ(NTVP)という縁で、創業したばかりの南場さんや川田さんと交流がありました。インフォテリアに連絡があったのは、1999年の10月30日。最初の連絡はNTVPの代表の村口さんから。「外注したオークションのソフトウェアが全く出来てていない」とのことで、とにかく何とかならないかという話です。既に、「ビッダーズ」のサービスイン日は11月29日と広く公表しており、周りの注目も高まっている中この日程を変えることは、できないということでした。

土曜日でしたが、とにかく来て欲しいとのことで、現副社長CTOの北原が駆け付けました。

そのとき、私は米国出張中で、状況を把握した北原からホテルに電話が入ります。北原から事情を聞いて、「半年も開発していたというのに使えるコードが全くない」という状況に驚くと同時に「うちが何かできるか?」と聞きました。「ドキュメントはしっかりしている、何とかなるかもしれない」と北原。

しかし、それはインフォテリアのXMLの製品開発を一時的に止め、開発計画を変更することを意味していました。その時インフォテリアは、その2週間後をターゲットとした資金調達の真っ最中でした。しかもVC10社からの出資がほぼ確定の状況で、各社に開発計画を提示した上での資金調達です。しかし、DeNAのオークションシステム開発を行うことは、資金調達時からいきなり計画が遅延することを意味していました。しかも、ビッダーズは大きな注目を集めていた期待のサービスだったので、問題が起きたことやインフォテリアがリカバーに入ったことなどVCにも誰にも話せません。

もう一つ問題がありました。

インフォテリアは受託開発ではなく製品開発を行うために作った会社で、開発エンジニアは皆そのためにジョインしてくれた人ばかりでした。それが、いきなり会社に泊まり込み確定のデスマーチのようなシステム開発プロジェクトをやるということになるのです。

私は北原に聞いてみました。

「他の会社ではできないのか?」

「時間がない。他では無理。うちしか可能性はない。」と北原。

その時、私の脳裏によぎったのは、南場さんの顔でした。我々にしかできないことなのに、困り果てた南場さんを前にして逃げる訳にはいかない。南場さんたちの役に立てるのであれば「やろう」と決めました。

実際、相手が南場さんでなければ断っていたのは間違いありません。資金調達の最中に計画変更が必要で、その理由は公言できず、30日という短期間でリスクもとても高い。しかも、インフォテリアは受託開発をしないことを公言していた会社でしたから。

それでもやろうと決めたのは、著書の言い回しを借りれば、南場さんの「不格好力」だったのでしょう。

「不格好経営」と南場さんは言いますが、それは私が直接感じたままで言えば「格好をつけない経営」です。いや経営どころか、南場さん自身がそう。いつでも素の自分をさらけだし、いつでも自分の思いに全力、もがいていることも隠さない。若くしてマッキンゼーのパートナーになって、肩で風切って歩いていそうな人が、格好をつけず笑い、泣き、悲しみ、怒る。熱く語り、悔しがる。凄い!と思わせた直後に、可愛い!と思わせたりする(笑)。この格好つけなささが、心からこの人と仕事をしたい、役に立ちたいと思わせる。気がつけば、ほんの短い間に私は南場さんのファンになっていたようです。これは、たぶん私だけではなく、周りの人皆が今でも感じていることではないでしょうか?

ワールドクラスの経営戦略コンサルタントが、ロジックでもメソッドでもないその対極のところに強みを持つ。いや、弱みを隠さないからこそ力を持った人達が集まる。この不格好さ、つまり人間味溢れる格好をつけなささが、周りの人達を自発的に動きたくさせる、これが南場さんの「不格好」の力の真髄だと感じるのです。

[2013/7/5] タイトル長調整で5文字削除

今年は、抹茶フィナンシェ

今年は、「抹茶フィナンシェ」です。

毎年、グリーンをテーマに選んでいます。

さて、何でしょう?

それは、インフォテリアの今年の株主総会のお土産です。毎年、新しくインフォテリア製品のユーザーになっていただいたお客様の商品をお土産にさせていただいています。

そして、今年はPascoこと敷島製パンさんの「抹茶フィナンシェ」。Pascoさんは、昨年度新たにHandbookのユーザーになっていただき、経営会議をはじめとする社内会議でご利用いただいています。

さて、最近のスイーツブームでだいぶメジャーになってきたフィナンシェですが、「それは何?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。フィナンシェとは、フランスを起源とする焼き菓子の一種です。綴りは「financier」で、この綴りからも想像がつくとおり、元々は「金融家」「お金持ち」という意味なのだそうです。投資家の方々にぴったりではないでしょうか?(笑)

通常は、黄金色が多いフィナンシェですが、今回は、インフォテリアのコーポ—レートカラーにちなんで、抹茶を練り込んだ珍しいグリーンのフィナンシェです(写真)。実は、Pascoのロゴもグリーンです。

今年のインフォテリアの定時株主総会は今週土曜日6月22日です。この週末関東地方は台風が来るかも知れないという予想もありますが、会社の最高決議機関にぜひご参加ください。抹茶フィナンシェとともにお待ちしています(笑)。

クラウドと、未来を創る仕事

「The best way to predict the future is to invent it」(未来を予想する最良の方法はそれを創ることだ)という私の座右の銘でもあるAlan Kayの言葉から始まった、AWS Summit 2013の基調講演。規模は昨年の2倍、基調講演は人寄せの有名人講演があるわけでもないのに椅子に全く空きが無く埋まった人々、まさにクラウド(crowd)です(笑)。日本でのクラウドへの関心、浸透の加速を目の当たりにした気がします。

インフォテリアも2008年からAWSを使っています。2009年にスタートした「Handbook」のStandard Editionは最初からAWS上で稼働しています。2010年出荷の、「ASTERIA WARP 4.5」では、Amazon EC2上でも稼働するようになりました。

あれから数年、クラウドはもう単にハードやネットワークを所有しないというだけでなく、クラウドならではのサービスを提供するステージに来ています。例えば、最新の「ASTERIA WARP 4.7」で対応したAmazon Elastic MapReduce (EMR)では、膨大なデータの分析を必要な時だけスーパーコンピュータに匹敵する処理能力で分析することを可能にします。また、早速「ASTERIA」での対応を表明したAmazon Redshiftでは、圧倒的な低コストでDWHを構築できます。企業アプリケーションの部品(Building Blocks)が次々と提供され始めていて、「ASTERIA」を使って簡単に組み合わせることで、データ中心のアプリケーション開発が出来る未来の端緒が垣間見えます。

講演で、東京海上日動火災保険の理事IT企画部長の稲葉さんは「AWSは金融システムに使える」と断言されました。協和発酵キリンの情報システム部長の篠田さんは「コストダウンだけでなく、システム開発のスピードアップがメリット」と強調されました。こういう生の声を聞くと、「クラウドは本当に大丈夫か?」と言っていたのは、もう過去のことだと実感します。

このように言うと、AWSのステマように取られるかもしれませんが(笑)、私はAWSの宣伝をしたい訳ではなく、まだ二の足を踏まれているユーザー、ベンダーの方々に一日も早く真剣にクラウドに取り組んでいただきたいのです。それは、ベンダーとしてものを売りたいからではなく、コストだけでないクラウドの価値が顕在化してきているからです。もう企業システムのプラットフォームの交代が次々に起こるのは間違いないところまで来ているからです。そして、いわゆる国産クラウドベンダーにもどんどんサービスを強化し頑張っていただきたいのです。「Handbook」も、国産クラウドに載せて提供しているものもありますし、「ASTERIA」はBYOL (Bring Your Own License)の形で、どこのクラウドにも載せて使っていただくことができます。

日本でのクラウド利用もどんどん進み、事例も増えて来て、AWS Summitは大盛況です。しかし、社会全体からみるとまだクラウド採用は少数派。私は、クラウドの適用が企業のアジリティを上げ競争力を高めると確信していますし、実際、東急ハンズの長谷川さんの話も、ミサワホームの宮本さんの話もまさにそれを体現した事例でした。つまり、これから先クラウド化が遅れることは、企業の相対的競争力低下に繋がるのです。私たちインフォテリアも、AWSをはじめとする各社クラウドベンダーと共に「未来を創る」仕事を行うことで、企業の国際競争力を高めていくことが出来ると確信してクラウド対応、サポートを積極的に進めています。

私は、こんな人になら金を出す!

 インフォテリアも登場する新しい本が出版されました。ベンチャーキャピタリスト(NTVP代表)の村口和孝さんの「私は、こんな人になら金を出す!」(講談社)という本です。

 村口さんは、DeNAの投資の大成功からベンチャーキャピタル業界では知らない人は居ない人。その村口さんが、DeNAの前に投資していただいたのがインフォテリアです。その縁でDeNAの創業当時には立ち上げの手伝いもしました。本書には、DeNAほどでではないですが、インフォテリアの過去、表からは見えなかった危機なども書いてあります(笑)。

 上場後5年を超え、いまは海外子会社を3社持つインフォテリアも、創業は6畳一間のアパートでした。そこから村口さん率いるNTVPをリードとする総額27億円のベンチャーキャピタル投資を受けたことで、現在の主力製品ASTERIAの開発に欧米並みの多額の投資をすることができ、その後の成長につながったのです。

 日々のビジネスでは、先の事ばかりに意識が行きがちです。本書を読んで、創業の頃のこと、苦しかった頃の状況が思い出され、村口さんをはじめ多くの お世話になった方々や既にインフォテリアを卒業したメンバーへの感謝の気持ちが溢れました。

 それでも、経営は未来を作る仕事。これからが大切です。今回の著書ではDeNAがメインですが、村口さんの次の著書では、インフォテリアがメインでフィーチャーされるよう頑張りたいものです。

落語に感じるプレゼンの極意と「伝える力」

 ゴールデンウィーク中に、友人の三遊亭楽麻呂さんの独演会に行きました。
 私は、落語を聴くときに、娯楽としてだけでなく、ストーリーを多くの人に伝えるプレゼンテーションの一つの形態として研究してしまいます。職業病かもしれませんが(笑)
 最近は、プレゼンテーションブームと言ってもよいくらいプレゼンテーション本が出版されています。これは、『伝える』ことの重要性と『伝わる』ことの感受性でへの意識の高まりではないでしょうか。独立系ソフトウェア開発会社の集まりであるMIJSでも、4年前からプレゼンテーション合宿というものを実施していて、初回からずっと私が先生をさせてもらっています。